回を重ねるほど、緊張する | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

私は対人緊張が強いことで、悩んでいます。職場の人間関係など、人とうまくやっていけないことも大きな悩みです。職場で話をするとき、自分が変に思われていないか、緊張しますし、人から見られていると思うと、頭がパニックになってしまいます。

以前周りの人から「頭おかしいんじゃないの?」と言われたこともあります。もしかすると自分は、精神異常者だと思われているのかもしれません。飲み会などもたまに誘われるのですが、緊張して変に思われるのではないかと不安になり、直前で断ってしまいます。

また私は初対面よりも、二回、三回と回を重ねるごとに、緊張が強くなります。これはおかしなことでしょうか。以前はこんな状態で、ひたすら人を避けてきたのですが、最近はそれを寂しいと思うようになってきました。(22歳 女性)

 

 

職場で緊張してしまう。そんな自分を「おかしい」と思っていらっしゃる。とても辛いことだと思います。心休まる暇もありませんね。それでも仕事を辞めずにいるということは、素晴らしいことだと思います。

ご自身では気づかれていないと思いますが、それがあなたの良さであり、強みであるのです。

他人に対する緊張感、人に変に思われる不安、これは誰にでもあることです。もともと個体が社会に適応していくために、自然に生じてくる感情です。つまり「必要な感情」なのですね。

けれど「対人恐怖」に悩んでいるときは、それが必要以上に苦しい感情になってしまいます。なぜだと思いますか?

それはあなたもお気づきかもしれませんが、『人に好かれたい』、『人より優れたい』と吸いう欲求が強いからなのです。

 

これは決して恥ずかしいことでも悪いことでもありません。在って自然なものなんですから。

初対面よりも回数を重ねる方が苦しくなる。と言うのも対人恐怖者のお決まりのパターンです。つまり最初は何とかごまかせるけれど、深く知り合うほどに「他人に見せたくない」部分を他人に悟られてしまうのではないかと言う不安が強くなってくるからです。

つまり、あなたは「本当の自分」では決して人に好かれるはずはない。と思い込んでいます。それを知られたら直ちに他人から排斥される。と思っているかもしれません。

その根底には、「他人は自分より優れている」・・だから同じくらいに優れた自分にならなければ、やっていけないという思いがあるのです。

 

 

なぜ。そんな確信が出来てしまったのでしょうか。それは教育のせいもあるかと思いますが、ありのままの自分を受け入れてもらった体験が不足しているせいかもしれません。あなたが嫌がっている「本当の自分」は、決して捨てたものではないのです。神経質なあなたは繊細な心を持ち、自分を内省できる能力を持ち、目標に向かって努力できる強靭な粘り強さを秘めています。

ただ、現在はそれらのエネルギーがことごとく、症状に向けられているのです。それは人に比べて感覚が鋭敏なせいもあるでしょう。

 

実は人間と言うものは、「本当の自分」でいた方が人に好かれるのです。周囲と調和することもできるのです。たとえ人前で震えたり、眼付が変になったりしても、そのままで居ることが他人に不快感を与えることはありません。不快感を与えるとすれば、自分の症状を何とかしようとする不自然さが、態度や行動に出たとき、他人はあなたに対して、不快感を感じるかもしれないのです。

けれど、こんなことを言っても今のあなたには、信じてもらえないかもしれません。

自分の存在が人に迷惑をかけているかもしれない。と言う思いは一面では他人に対する気配りであり、やさしさの表れなのです。

ですので今のあなたとしては、「ご迷惑をかけて申し訳ありません」と言う気持ちでいるしかありません。

 

 

「嫌だ、緊張する」

と言う感情はどうしたって湧いてしまいます。ですので緊張したときは十分緊張しましょう。そして手を動かし、眼を仕事に向け、その場の必要に応じて行動していきましょう。

辛い時はつらいと思って構いません。時に逃げてしまう自分にも優しく接してあげましをょう。

森田療法はあなたの中で眠っている「生のエネルギー」を賦活してくれる治療法です。落ち込んだり緊張したりしながら、それでも毎日を頑張っているあなたは、それだけで十分に褒めるに値するものです。

せめて自分だけでも、自分に対して寛容になってあげてください。もし誰かがあなたのことを「おかしい」と言っていても、それはあなたの問題ではなく相手の問題です。

 

飲み会に誘われるということですが、もし少しでも興味があるなら、出席してみるのも良いかと思います。

こういうチャンスは若い時しかありません。少し緊張するくらいの女性の方が、魅力的だと思います。

辛い日も多いかもしれませんが、あなたのこれからの人生を陰ながら応援しています。

 

参考・・・「生活の発見会 若者の悩み」