②自己否定、他者肯定 | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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さて、今回は『自己否定、他者肯定』になります。

何? 昨日と同じだろうって? よーく観てくださいよ(笑)。

ライフポジションで言うと、『私はOKでない、あなたはOK』となります。

この構えのイメージとしては、逃避、回避、消極的、劣等感、後悔、憂鬱、自信が無い、責任逃れ、不安、恐怖、罪悪感、羞恥、悲哀、どうしても勝てないもの、時間に追われている、そして、『あいつはいいよなぁ、どうせオレなんか・・・』です。

 

この構えは通常、劣等コンプレックスに悩んだり、憂鬱になりやすい人が取りがちな構えです。他人に対して無力で劣っていると言う感じを常に抱いています。この構えは、多くの子供たちが自分自身について下しやすい結論でもあるのです。彼らは身体的な虚弱さ、大人と比べての無力さ、さらに知的に未発達であることなどから、大人が考えるよりさらに敏感に外界からの圧力を感じ、傷つけられやすい不安定な存在となりがちです。このため自分と同じ環境に居る大人と比べて、どうしても自分は劣等であるとの結論を下してしまうのですね。

 

 

①劣等性の悪循環

劣等感やコンプレックスは、先天的な素質が大きくものを言う場合が多いようです。是に加え後天的要素として、周囲か『お前はダメだ』と言われて育てられたり、身体や知能に関する欠陥を指摘されたり、なじられたり馬鹿にされたりした体験が大きく影響してきます。

さらに劣等コンプレックスの状態になると、いつも劣等感に苛まれているために、自分の実力を発揮する事が出来ず、本来出来るはずのことさえ失敗してしまいます。

そしてますます劣等感が加速します。例えば何度も事業に失敗したり、失業などで最終的に身の破綻を招いてしまいます。アルコール依存や、不登校なども、この脚本が演じられている事が多いものです。

 

②回避

この構えを身につけた人は、心の奥に暖かい人間的なふれあいを得たいという、強い欲求を秘めている場合が多いのです。

けれど人と接するときの自己卑下の気持ちや劣等感のために、自己肯定感の高い人たちと居ると、不安でぎごちなくなり、その場を逃れようとしてしまいます。

また、仕事や行事などで、責任ある立場を任されたりすると、失敗を予想したり、周囲の評価を気にする余り、いろいろ口実を作り、これを避けようとします。

この脚本を演じる人は、生涯を通じ、人間嫌いや対人恐怖的になって人間関係を避けたり、あるいは自分を向上、発展させる機会を他人に譲ってしまったりするのです。

 

 

③うつ反応

自己否定、他者肯定の構えから生じるもう一つの脚本は、人生の大切な場面で気力を喪失し、全体の行動にブレーキが掛かり、決断が鈍ると言うような抑うつ的な状態になる事があります。

言うまでもなく、体質や生来の気質が大いに関係しているのですが、同時に生後六ヶ月から一年の間に、母子の愛情とふれあいの欠けた生育環境におかれる事が、大きく関係しているとされています。

乳児はこの頃までに、母親とそうでない人を見分ける能力が発達してくるので、愛情喪失を感じると、母親に必死にしがみつこうとするのです。

 

けれどここで母親が冷たい態度を取ったり、反応してくれないと、子供は突き放されたように感じ、惨めな思いを味わいます。

さらにそれを誰のせいにもできず、結局自分が悪いと思うようになってしまいます。もともと自己否定的な構えになりやすい素質を持った子供が、いつも子供に無理な要求を突きつけているような親から育てられると、将来うつになってしまう可能性が高くなります。

脚本の面から見ると、この種の人は精神的な支柱が貧弱なために、近親者との離別、職場における異動や昇進、さらに引越しなど、それまでの生活のバランスを崩すような事態に遭遇すると、精神的動揺が大きくなり、悲観的になり、自己破壊的な考え方に捉われやすくなってしまうのです。