今日13日は、多くのところで成人式が開かれましたね。ひところは降雪が危ぶまれましたが、当日は穏やかな日和に恵まれました。
私個人的には三回目の成人式を迎えることになっていますが、この日を迎えるたびに、改めて大人の自覚と言うものを再認識させられます。
さて、新成人の挨拶もいろいろ聞かれるようになりましたが、いつの時代にあっても最も定番の挨拶といったら、親への感謝の言葉でしょう。
この20年間、育ててくれてありがとうございます。と言うものです。どれだけ他人に感謝出来るかと言うことは、その人の自立度のバロメーターとも言えると思います。
人に依存的な人間は、感謝を知りません。例えば神経質者です。彼らは他の人が自分のためにしてくれることを当たり前と捉らえ、そのくせ自分は何もしません。さらに自分で苦労した体験も少ないので、他人に対する同情の気持ちも起きません。このような人が実践によって少しずつ感謝の気持ちが現れてくれば、それは治癒にいたる経過として評価できるのです。
貝原益軒の『養生訓』は、
健康や長生きのヒントになるものとして有名ですが、それだけではありません。人生いかに生きるべきかと言う哲学的なクエスチョンについても、大切なメッセージがてんこ盛りなんですね。
例えばこういうくだりがあります。
『天地父母の恵みを受け、養われたるわが身なれば、わが身我のものにあらず。天地の御賜物、父母の残せる身なれば、謹んで良く養いて、損ない破らず天年を長く保つべし。』
つまり、私達の命は両親、さらに先祖、さらに天や地の恵みを受けて誕生したものであるから、自分の身体は自分だけのものではない。しっかりと養生して、命を大切に長生きするべきである。と言うことです。
最近の研究によると、中小企業の社長や、地域活動の世話役、ポジティブ思考の人、友達が多い人は長生きである。と言うのが定説になりつつ有るそうです。特に町内会の役員や地域ボランティアなどの役割を持っている高齢者は、持っていない高齢者より寿命が長い傾向に有るそうです。
日本が世界に誇る長寿国であるのは、医療の発達のみならず、昔からのご近所づきあいや地域ボランティア活動が盛んで、人と人が強いつながり結ばれ、支えあっている社会構造に要因があるのではないかと言われているのですよ。
反対に孤独で悲観的で友人も少なく、うつ的傾向の強い人は病気にかかりやすく、楽観的な人より寿命が短い傾向に有ることも、指摘されているのです。
益軒は、自分の命はいろんな人に支えられ、とても尊いものであると感謝し、社会に役立つように心がけながら、命を粗末にするような生き方を避け、長生きしましょう。と言うメッセージを残しましたが、これこそが健康長寿の基本的考え方だと思います。
巷にはさまざまな健康法が目白押しです。
『何を食べれば長生きできるか』
『どのくらい運動すればよいか』
『どんな生活をすればガンにならないか』
それこそ星の数ほどの健康法があふれています。
ですが最も基本になるのは、
○自分の命に感謝する。
○命を大切にする生き方を選択する。
といった考えを持ち続けることだと思うのです。
新成人になられた方々、おめでとうございます。
ご両親、ならびに周りの人たちの思いを裏切ないような、素直な青年に成長してくださいね。