昨日までは、感情が消失する場合の法則を見てきました。
本日と明日は、感情が持続、あるいは強化される場合の法則になります。
④感情はその刺激が継続して起こるときと、注意をこれに集中するときに、ますます強くなるものである。
大喧嘩をした後で、どうしてあんなことをしてしまったのだろうと後悔するときがあります。怒鳴ることによって怒りの刺激が継続して加わるからなんですね。喧嘩のときも、一方が黙ったしまえば喧嘩になりません。双方で怒鳴りあうから継続した刺激となり、また注意もこれに集中せざるを得なくなるから、エスカレートしてしまうのです。
緊張をなくそう。不安を取り除こうと勉めれば勉めるほど、不安や緊張は募ります。勉めるということは、注意の集中にほかなりません。年がら年中不安のことばかり考えているというのは、刺激の継続であり、何のことはない、自分で不安や緊張を作り出しているのです。
これを森田では「精神交互作用」といいます。とりあえず言葉だけ覚えておいてくださいね。
「女性恐怖」の方がいました。女性を見ると、変な妄想が頭に浮かぶといいます。努めて女性を見ないようにするのですが、どうしても視野の片隅に入ってしまいます。読者の皆様はお気づきだと思いますが、「見ないようにする」事は、注意の集中にほかなりません。
さらに「見てはいけない」となりますと、ますます意識し注意することになりますし、「絶対に見てはいけない」となりますと、そのものが見えることを恐怖することになるのです。
このようにして「とらわれ」が形成されるのです。