神経質者の性格①(森) | 神経質逍遥(神経質礼賛ブログ)

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何のとりえもない平凡で臆病者の神経質者が語る森田的生き方ブログです。

神経質者の性格と歌いましたが、実は一筋縄ではいかんのですね。

昨日のブログでは森田の適する神経質症には、共通の性質があるとの事でした。実はここから、神経質の性格特徴を拾い上げることができるのです。

まず、自分の症状について批判や反省の能力があるという事は、『自己内省性』が強いと言いかえられましょう。

 

次の、向上発展したいと強く望んでいるということは、強い欲求を持っていることにほかなりません。これを森田先生は『生の欲望』と名づけました。

三番目の、病気ではないものを病気と思い込み、以上と考えてしまうというところは、心配性であることを示しています。

最後の、適応不安から注意と感覚の悪循環にはまり込んでしまうというのは、執着性が強いことをあらわしています。

 

これらの特徴、『自己内省性』、『強い欲望』、『心配性』、そして『執着性』というあたりが、神経質者の性格特徴の4本柱と言えるでしょう。さらに付け加えるならば『完全欲が強い』、『理想を追求する』、『慎重』、『忍耐強い』という特徴も良く見られます。

森田療法家の青木薫久先生は、神経質者の性格特徴を、下図のようにピラミッド型に表現しました。見る角度によって現れる性格が変化して見えますよね。まさに現実に生きている神経質者のようであります。これを『神経質性格のピラミッド』などとも言われます。

 

性格1

 

こうした特長は、その人の成熟度によってプラスにもマイナスにも働きます。マイナスに働けば神経質症に陥るきっかけとなり、プラスに働けば、それを乗り越える力ともなるのです。

何年も、あるいは何十年も症状克服のために悪戦苦闘を続けている神経質者の姿は、たとえ誤った認識からとはいえ、努力、忍耐、真剣、真面目、徹底的、粘り強い、という言葉がぴったり当てはまります。

 

したがって症状に苦しむ神経質者は、ひとたび自分の誤った認識に気づき、これを自覚しながら、『あるがまま』の生き方を実践していけば、自分を苦しめていたこれらの性格特徴がプラスに働き、神経質症を克服する強い見方になってくれるのですね。