交流パターンについては、だいたい理解していただいたかと思います。
本日より『ゲーム分析』の話に入る予定ですが、その前に先に説明しておいたほうが良いと思われる概念があるのです。
それは『人生の基本的な構え』と呼ばれるものです。普通『基本的構え』と呼ばれます。
『基本的構え』を一言で言うと、『自分自身と他人について、どのように感じ、どのような結論を下しているか』と言うことです。私たちは『ゲーム無を通して、更にはさまざまな交流を通して、一生涯にわたって『基本的構え』の正当性を立証しようとするものです。
各人の人生における『基本的構え』は、おおむね乳幼児期から幼児期にかけてどのようなストロークを受けたかと言うことが、大きく関わっています。『基本的構え』は、次の4つの窓で表されます。
○わたしはOK、あなたもOK
○わたしはOKでない、あなたはOK
○わたしはOK、あなたはOKでない
○わたしはOKでない、あなたはOKでない
私たちは常にいずれかの立場を取り続けるわけではありませんが、私たちは常に自分の『居場所』を確認して安心を得ると言う作業をしています。その手段の一つが『ゲーム』なのですね。
この窓の中の「わたしはOK、あなたもOK』と言う立場にとどまることが出来れば、その人は自分に対する自身や信頼感、もちろん他者に対する信頼感、更には豊かで健全な人生観を持つことが出来、他者とも親密に関わることができるようになります。
交流分析とは、まさにこの立場に出来るだけ長くとどまれるようにしていくための手段に他ならないと思うのです。
幼い頃から両親によるDVや虐待に耐えながら、何とか生き抜いてきたHさん。彼女の口癖は『やっぱり私はダメなんだ。』です。
やがて好きな人が出来て結婚しましたが、その旦那からもDVを受けるようになりました。
『やっぱり私は、殴られる人生なんだ。』
離婚は考えていないそうです。不幸にしがみついているようにも取れますが、彼女にとっては彼女自身の『基本的構え』の正当性を立証出来ているということかもしれないのです。
参考・・・『交流分析に基づくカウンセリング』