小学校高学年の頃の担任の先生は

面白い話をよく聞かせてくださった

理科がご専門のようで

ご自分で調べたり実験したことを

よく話題にされていた

 

ゴキブリが一番好きな食べ物は何か

トイレットペーパーは何重に重ねれば

ばい菌が手につかないのか

ジュースの着色料の実験結果などなど

中でも一番覚えているのは

電子レンジの仕組みについてだ

 

高度経済成長真っ只中の当時

電子レンジはまだ

各家庭にまでは行き渡ってはいなくて

子どもだった私も

そういうものがあるらしい

という認識に過ぎなかったのだが

確か電気の単元あたりで

話題にされたのだったと思う

 

物事の仕組みに興味があって

年上の従兄弟の子ども向け雑誌掲載の

自動販売機のようなカラクリもののページを

半分程度しか理解できないまでも

よく眺めていた私は

 

見えない電子が降り注ぐという

電子レンジの庫内と

その電子が食品にぶつかる様子を想像し

ワクワクしたものだ

 

だが、原理が母の理解の範疇を超えていたのか

悲しいかな

そのワクワク電子レンジとの出会いは

私が結婚するまで叶わなかった

 

新婚ホヤホヤの電子レンジ初挑戦の時

金属の容器やスプーン

ホイルなどを使っちゃダメだとか

生卵は殻のまま入れると爆発するとか

そういう情報は事前に入っていたのだが

 

レンチンした後、

ラップを開ける時の注意事項を知らず

蒸気による攻撃を受け

指を火傷してしまったという

かなりイタイ思い出がある