通っていた中学校は

さすが都会というべきか

そこそこに治安が悪かった

荒れているというほどではないが

どの教室も壁か窓に穴が空いていて

二つ向こうの教室まで見えた

 

木造の建物も老朽化していて

前を歩いていた生徒が

いきなり消えたと思ったら

片足が床にはまっていたり

階段は真ん中がすり減っていて

すり減り方も一定ではないので

かなり気をつける必要があった

 

生徒数も多く

私の学年は400人近くで9クラス

10クラスあった一つ下の学年は

卒業時、

校舎の窓ガラスを全部割って出たらしい

 

そんな中学3年の秋頃

転校してきたその女子は

足首まであるスカートに

下着が見えそうに短いセーラー服

リボンの先は申し訳程度にのぞいていて

所謂、お手本のような「スケバン」っぷりだった

 

学生鞄はぺちゃんこなのに

授業中、机の上に

どこからともなく出してきた

万引き品を並べて自慢する彼女は

何度席替えをしても

私の隣の席だった

 

高校でも3年生になってから

似た風貌の友達ができたが

音楽家一家のお嬢様だからか

中身は比較的真面目だった

 

持参したカルピスを差し出し

「今日のは特別製❣️

 お父さんのナポレオンを

 こっそり入れてきた❣️」

というのが問題だったぐらいだが

実は特別性ではない通常版には

「ジョニ黒」が入っていていたという

 

そしてこのナポレオン版の日

罰が当たったのか

容器を倒してこぼしてしまい

「匂いでバレる!」

と大慌てで片付けを手伝った思い出がある