新卒入社した会社では

企業の資料管理とはいえ

蔵書が棚二つほどと少ないので

結構いろんな仕事をやっていた

 

和文タイプを活かしての

クレームへのお返事作成や

(原稿は上司が作る)

動き出したばかりの提案制度の取りまとめ

なんてのはよくあると思うが

食品会社ならではなのが

パンテストだった

 

上司が定期的に買ってくる

5社ほどの価格帯が同じ食パンを

それぞれがどこの商品かわからないようにして

テストするのだ

 

真ん中あたりの一枚を

取り出してコピーをとり

(カラーコピーなんてない時代なので

 もちろんモノクロ)

食パンの角から角の長さと

角を結んだラインからの凹みの長さを測る

 

テストの項目は

きめの細かさ

測定した数値

香り

触感(弾力性)

食感

の5項目だったと思う

 

採点するのは社内上層部で

結果を集計してお知らせするまでが

私たちの仕事だった

 

当然かもしれないが

常に同じ商品がトップだし

個性のある商品は

パッと見ただけでそれとわかる

その2つの商品以外は似たり寄ったり

という感じで

当時トップだったブランドは

やはり今も大好きブランドだ

 

テストが終わったパンは

当然、触ったり匂いを嗅いだり

コピーをした後なので廃棄だが

 

当時、ミートソース缶を開発中で

その試食会の残りのパスタやソースは

昼食時に私たちのお腹に

全て納まることになるので

お弁当不要でもあるし

ワイワイと楽しかった

 

そしてなぜか缶切の達人と煽られて

毎回、私は缶を開ける係だった