非接触型体温計の怪 | 稜山泊

非接触型体温計の怪

4年間、毎朝測定していた体温の測定を止めることにしました。4年前、タクシードライバーとなったのですが、丁度、その頃にコロナ禍が始まりました。
 タクシー乗務員は、始業前に体温を測定してから運転を開始するのですが。私自身の為に、非接触型体温計を購入し、毎朝測定する事にしていました。血圧も測定して記録しているのですが、欄を追加して記録していました。
 そんな中、事件が続きました。最新式の非接触型体温計は、正常に測定できないのです。


 今回のストーリーで出てくる体温計を紹介します。4つ並んだ体温計を左からA1、B1、B2、A2と呼びます。上に置いてあるのは、体温計では無い温度計ですが、Cとしましょう。
 一番左のA1が4年前に購入した非接触型体温計です。多分中国製ですが、メーカーは分かりません。一番右のA2は、今回最初に購入したシチズン製の非接触型体温計です。
 B1は、ずいぶん前に購入した脇下測定予測型の体温計。B2は、今回、非接触型体温計と一緒に購入したタニタ製の脇下測定予測型の体温計です。
 Cは、商品評価の為に、実際の脇下の体温を測定しようと準備した温度計です。その他、アルコール式の実測体温計も使用したのですが、写真は撮っていません。


 まず、4年前にAmazonで購入したA1なのですが。購入直後にAmazonの商品写真がこの図柄に変わりました。暫くしたら、商品そのものも無くなったのですが、何か客を小馬鹿にした様な図柄を載せているとは、この商品の性質を表していると思います。
 4年間測定を続けて、体温は正常に見えていたのですが、今年の3月4日に発熱感が有るのに、体温は36.4℃を示していました。B1を使うと37.9℃。明らかに発熱しているのに、その体温を示してくれていませんでした。つまり、4年間測定し、記録を続けていたのですが、全く意味がない測定を続けていたということになります。
 そこで、上記のシチズン製の非接触型体温計A2に買い替える事にしました。揃った所で、お湯を使って比較しようとしたのですが、非接触型は、直接比較ができませんでした。

 そうやって、A2を使い始めた翌朝です。A2を使った体温を測定すると、38.5℃でした。勿論、b1、b2を使用しても、36.0℃から36.5℃の範囲なのですが、A2を使用すると38.0℃から38.5℃を示しています。この体温計は、38.5℃を超えると、測定結果の音がアラーム音となるのですが、最初は、正常な音かと勘違いした程でした。
 メーカーのシチズンにメールで問合せしたのですが、回答がありません。致し方なく、Amzonに返品を申し入れました。しかし、この種類の商品は、簡単には返品を受け付けてくれないのですね。通常だと、返品ボタンがあり、押すと受け付けてくれて、無料発送用の送り方が通知されるのですが。
 結果的に、オペレーターに連絡し、一次受付を行う。折り返しに、メーカーの方からの連絡を受けて、状況を説明。その結果で返品の手続きを進めることができました。結局、症状を2回も説明しないといけませんでしたが。


 そうやって、改めて買い直ししたのが、B2と同じメーカー、タニタの非接触型体温計です。A3と呼びましょう。
 今度は大丈夫だろうと思ったのですが。測定して見ると、何と37.5℃を示しています。勿論、B1、B2で測定すると問題は有りません。
 何度も測定していると、少しづゝ示している体温の値が下がってきました。10分間くらいでしょうか。やっと、36.5℃程度を示してくれるようになりました。
 そこで、実験しました。起きてすぐ、布団の中で測定するのですが。A3を暫く、シャツの中、お腹の上に載せて温める。5分くらいしたら、36.7℃程度の高め。10分間すると、36.3℃と多分正常値
 1週間ほど続けたのですが、あることに気づきました。この測定は、アルコール式体温計と同じ面倒さです。非接触型の意味が無いと

 結局、体感で発熱を感じたら、B1、B2を使って測定する。それで十分だと。A3は返品しても良かったのですが、流石に購入して2ヶ月以上も経っています。最初は諦めたのですが、ダメ元で確認してみました。
 まず、Amazonに確認すると、これはXpriceというネット店舗で販売なので、そちらで確認してくださいと。
 Xpriceに確認すると、最初は「メーカーが不良と判定していない商品は返品できません」と。メーカーと話して改善できないとの回答を説明したら、「期間が経っているので返品できません」に変わりました。
 ここまで来たら、メーカーに相談するしか無い。相談したら、着払いで送ってくださいと。検査して、必要なら修理か交換と言ってくれました。
 暫くすると連絡の後、新品が届きました。検査したのだが、問題は無かった。ご迷惑を掛けたので、新品に交換しましたと。

 そうやってここ数日、正常に計れるかを、起床時測定で試してみました。まず、今朝は、タニタ製のA3が37.1℃予測型のB2で測定すると、36.3℃でした。0.8℃も差があります。昨日も同様に、37.2℃と36.3℃。いずれにしても、1℃近い差となっています。
 非接触型体温計は、額の温度から、舌下(口内体温)に換算した体温だと説明されています。舌下体温は、一般に脇下体温より高いと言われていますが、何故だかネットでも、平均的な差は具体的に載っていない。こうやって、同時に測定すれば、分かるはずなのですが。
 それにしても、1℃の差があれば、使い物にならない。いくら簡単に計れても、ガラクタと一緒ですね。ネットを慎重に探すと、有名所のオムロンの評価に興味深い情報が出ていました。「新しい型番となってから、正しい表示がされない」と。現在、病院などの事業所で使用されているものは、この古い型番の商品が多いのでしょう。
 私の評価は、ほとんどのメーカーで設計をミスって、新しい型番の非接触型体温計は、正常に測定できない。これが、私の結論です。

 

 最後にもう一つ、タニタは、お客に優しい会社だと実感しました。測定値がおかしいことには、納得してくれなかったのも確かですが。いずれにしてもありがとう!