令和6年能登半島大地震の震度7の意味 | 稜山泊

令和6年能登半島大地震の震度7の意味

改めて、地震で被災された方々にはお見舞い申し上げます。そして、地震で亡くなられた方、地震の対応に向かう途中で亡くなられた海保職員には、ご冥福をお祈りします。

 正月元旦に発生した能登半島の大地震で、思う所を感じていたのですが。それに関わるニュースが昨夜流れていました。『低い耐震化率 高い高齢化率 「壊滅的」被害招く 能登半島地震』というタイトルです。
 私が何を感じているか、率直に解説したいと思います。被災された方から、何言ってんだと言われるかも知れませんが。地震に興味を持つ、一技術者の意見として聞いてください。

 今回の地震は、最大震度7と言われていますが、その実態について、まったく報道されないのが不思議なのです。現段階で本震とされる辺りの地震を並べるとこうです。
時刻      M値       最大震度
16:06    M5.7    5強
16:10    M7.6    7
16:18    M6.1    5強

 要点は、2つ有ります。一番のポイントは、16:10の地震を除いて、1月4日の朝までに、震度5強を超える地震。つまり震度6弱に達する地震が発生していない。2点目は、16:10の地震の状態です。

 


 16:10の地震の状況を気象庁の地震情報から引用しました。震源地は、珠洲市なのですが、能登半島の一番突先の海岸近くです。半島のほぼ全域で震度6強を記録はしています。しかし、震度7を記録したのは、能登半島の西の端の一箇所。震源地から40km程度離れた地域なのです。
 技術者の発言なので分かり難いかも知れないのですが、要約するとこうなります。「今回の地震は、最大震度6強の地震が1回のみ起きた。震度7は、地盤が弱い一部の地域で観測された特異観測である。

 16:18の地震のマグニチュードがM6.1で5強の地震。16:10は、M7.6なので、最大震度は6強というのが正しいのは、数値を見ればよく分かります。だから、「大した地震では無い」とは口が裂けても言えないのですが。それでも、被害が大きい理由を説明する情報が、昨夜、毎日新聞社から報道されたニュースだということです。
 勿論、多大な被害が出て、多くの支援が必要な状況に変わりはありませんが。客観的な解説が無いので、思いを文章にして見ました。東日本大震災の時も、有識者の発言には疑問を感じたものでした。
 念のために、非道な人間だと思わないでください。単純に、技術的な話として説明しています。震度7は、特別な表現です。マグニチュードがM7を超えると最大震度7に達するのですが。マグニチュードがM100でも最大震度7にとどまるのです。地球が壊れる位の地震なのですが。だから、簡単に「震度7」なんて言って欲しくない。せめて、「震度6強を越えた地震」程度にして欲しい。

 これから、更に大きな地震も予測されています。この機会に、最大震度のカウントの仕方を見直ししては如何でしょうか。そうしたら、この違和感は無くなるのですが。