2020.03.12 《番外編》ウイルスと人類の終わりなき戦い~100年前と変わらぬ方針 ~ | Wuxi-chanの雑記note "~なるようになるさ~(「無錫note」から変更)

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2018年1月に20数年勤めてきた会社を辞め、翌2月に無錫での生活へ。ここでの生活、自分専用のノートとして書き留めることにしました。

2020年1月末、春節で一時帰国から本帰国となる。
5月末に本帰国辞令。9月末に主人が帰国となる。2021年から日本で新生活をスタート。

気になったことを調べてみたシリーズ番外編
(调查了一下在意的事情的系列番外篇)
  改変有り:2020.03.27
2020.04.01
 
 
人類は紀元前の昔から感染症と戦っていた。
現代のように医療が発達していたわけではないため、甚大的な被害を与えてきた。
 
天然痘、ペスト、コレラ、スペインかぜ、エイズ、エボラ出血熱、SARS、MERS、新型インフルエンザ、そして新型コロナウイルス。
 
 
パンデミックの歴史が気になり、調べてみたら
  
画像 : 大幸薬品
 
 
スペイン風邪(1918年~1919年)
発生源は不明
日本:当時の日本の人口は 5,500万人の対して 2,400万人が感染し、39万人が死亡したといわれる。
 
 
                   
アジア風邪(H2N2)(1957年~1958年)
1957年に中国で初発
日本:65万人がかかり、5,700人が死亡した。このアジア風邪は、約 11年続いた。
 
香港風邪(H3N2)(1968~1969)
1968年に香港に発生。
日本:1,000人(13万人感染)が亡くなった。その後、H3N2は1968年以来 35年間も続いた。
 
新型インフルエンザ(A/H1N1)
2009年にメキシコで発生
発生源は豚の間で流行していた豚インフルエンザウイルスとされ、これが農場などで豚から人に直接感染し、それから新型ウイルスとして人の間で広まったとされている。
日本:感染者数の累計は約 2000万人に達し、約 200人の方が亡くなっている。
 
資料 : 内閣官房新型インフルエンザ等対策室
 
アメリカのCDC(米国疾病予防管理センター)は28万4000人以上が死亡したと推定している
 
資料 : 朝日新聞 2009年11月16日
 
日本が一番低い死亡率である。
12年以降、季節性インフルエンザの一つとして定着している。
 
インフルエンザは若年層の方がかかりやすく、重症化しやすいようです。
 
 
 
以下引用(大幸薬品より)
https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/influenza/pandemic.html
このように、新型インフルエンザは10年から40年の周期で起こるといわれており、大流行の可能性が危惧されていたところ、2009年新型インフルエンザ(A/H1N1型)が発生しました。2010年8月には、世界保健機構(WHO)からパンミック終息宣言されたものの、いまだ流行は続いています。 さらに、1997年以来、H5N1型高病原性鳥インフルエンザの人への感染が拡大しており、未曾有の健康被害をもたらす新たな新型インフルエンザ大流行の可能性が危惧されています。
 
 
 人類を脅かせてきた感染症
 

天然痘

天然痘の正確な起源は不明であるが、最も古い天然痘の記録は紀元前1350年のヒッタイトとエジプトの戦争の頃であり、また天然痘で死亡したと確認されている最古の例は紀元前1100年代に没したエジプト王朝のラムセス5世である。彼のミイラには天然痘の痘痕が認められた。

ヒトに対して非常に強い感染力を持ち、全身に膿疱を生ずる。致死率が平均で約20%から50%と非常に高い。仮に治癒しても瘢痕(一般的にあばたと呼ぶ)を残す。天然痘は人類史上初めて撲滅に成功した感染症

6世紀:日本で天然痘が流行、以後、周期的に流行する
15世紀:コロンブスの新大陸上陸により、アメリカ大陸で大流行
1980年:WHOが天然痘の世界根絶宣言。
 
さるぼぼ。
色が赤いのはもともとは天然痘除けのためである
 
 
ペスト
ペストはペスト菌による感染症で皮膚が黒くなって亡くなるため、「黒死病」として恐れられてきた。
古来複数回の世界的大流行が記録されており、特に 14世紀に起きた大流行では、全世界で 1億人が死亡したと推計されており、当時の世界人口を 4億5000万人から 3億5000万人にまで減少させた。
ヨーロッパでは、1348年から 1420年にかけて断続的に流行し、域内全人口の 30%から 60%が死亡した。
最も流行が激しかったのは 1300年代半ばだが、 17世紀にも大きな流行をおこすなど盛衰をくり返しながら 18世紀まで続いた(引用:テルモ)
 
 
Wikipediaより
 
2017年にはマダガスカルの首都アンタナナリボを含めた都市部で肺ペスト患者のアウトブレイクがあり、2300人以上の感染者と200名を超える死者が出た(致死率8.6%)
歴史的にはこれまで世界で3回の大規模な流行があり、2回目の14世紀の中国から始まった大流行では世界中で8500万人もの死者が出たとされている。
 
ネットより拝借
 近年の感染症の一覧
 
 
画像: 月刊総務オンライン
https://www.g-soumu.com/linkage/2020/03/covid19-1.php
 
 
SARS(重症急性呼吸器症候群)(2002~2003年)
中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生。
感染者 8098人
致死率 10%
 
MERS(中東呼吸器症候群)(2012年~ )
2012年にサウジアラビアで初めて確認された、MERSコロナウイルスによる感染症
主に中東地域で発生が報告されてきましたが、ヨーロッパやアフリカ、アジア、北米など計25ヵ国でも発生しています。その感染者数は累計で2494人
致死率は34%
 
エボラ出血熱
1976年に初めて、現在の南スーダンのンザラとコンゴ民主共和国のヤンブクの2か所で同時期に発生。
エボラ出血熱の死亡率は平均して 50%前後です。 過去の流行では、致死率は 25%から 90%の間で変動している。
2013年から 2015年にかけて発生した西アフリカでの大流行では、約 2万人が感染して、その半分の1万人が死亡、世界でも世紀の大流行。
 
ジカウイルス感染症(ジカ熱)
(2015 ~ 2016年)
発生状況として、アフリカ、アジア太平洋地域、南米が流行地で、日本では、海外において感染し帰国する症例(いわゆる輸入症例)が、2013年以降 10例発見されている。
ジカ熱は蚊が媒介する感染症で2015年にピークに達した。2016年までに17万5063人の感染者を確認。実際の感染者は50万人以上と言われている。
 
 
 感染力
引用: swissinfo.ch
 
 
麻疹の感染力に驚き。
新型コロナウイルスは飛沫感染接触感染の2つと考えられている。
3月 18日の記事では、『新型コロナ「エアロゾル」で3時間生存 米研究グループが発表』
『エアロゾル』による感染が起こりうると結論付けている。
 
麻疹の感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力はきわめて強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ 100%が発症する。
 
致死率が高いエボラ出血熱は、感染源になるのは、患者の血液、体液、排泄物、唾液などで、これらとの直接接触および医療機関や家族内での濃厚接触により感染が成立し空気感染はしないが、エボラウイルスの血液を介しての感染力は強いとされている。
 
 
ちなみに
引用:Pure Medical attitude
 
 
✏️気になったので調べてみた🗒️
 
エアロゾル感染は空気感染とは異なる
写真はネットより拝借
 
  
引用: https://feizeus.com/earozorukansen/
 
 
そのため駅、映画館、商業施設、高速道路のサービスエリアなどのトイレでハンドドライヤーが使用停止になっているのは
『エアロゾル感染』を防ぐためだそう。
 
 
 
2019年 12月に武漢で確認された新型コロナウイルス(COVID-19)。
ちょうど10年。
 
未曾有の健康被害をもたらしている新型コロナウイルス。
そして、パンデミック宣言をした WHO。
 
 
 
人類は常にウイルスとの戦いをしているのがわかる。
 
これからもずーっと繰り返すんだろうなぁ
 
と思っていたら、
 
ある記事を見つけ、今とさほど変わらないことをしていたことに驚いた。
 
 
以下引用
日本はパンデミックをいかに乗り越えたか~100年前のパンデミック・スペイン風邪の教訓https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200228-00165191/
(一部抜粋 )
 「スペイン風邪」に当時の政府や自治体はどう対処したのか
 さて、肝心なのは当時のパンデミックに日本政府や自治体がどう対応したかである。結論から言えば、様々な対処を行ったが、根本的には無策だった。なぜならスペイン風邪の病原体であるH1N1型ウイルスは、当時の光学顕微鏡で見ることが出来なかったからだ。人類がウイルスを観測できる電子顕微鏡を開発したのは1930年代。実際にこのスペイン風邪のウイルスを分離することに成功したのは、流行が終わって十五年が過ぎた1935年の出来事であった。
 
 つまり当時の人類や日本政府は、スペイン風邪の原因を特定する技術を持たなかった。当時の研究者や医師らは、このパンデミックの原因を「細菌」だと考えていたが、実際にはウイルスであった。当時の人類は、まだウイルスに対し全くの無力だったのである。
 
 それでも、政府や自治体が手をこまねいたわけではない。今度は内務省を中心に当時のパンデミックに対し、公的機関がどう対処していくのかを見てみよう。
 
大正8年(1919年)1月、内務省衛生局は一般向けに「流行性感冒予防心得」を出し、一般民衆にスペイン風邪への対処を大々的に呼びかけている。驚くべきことに、スペイン風邪の原因がウイルスであることすら掴めなかった当時の人々の、未知なる伝染病への対処は、現代の新型コロナ禍における一般的な対処・予防法と驚くほど酷似している。以下、内務省から抜粋したものをまとめた。*適宜筆者で追記や現代語訳にしている。
 
・(はやりかぜに)かからぬには
 
1.病人または病人らしい者、咳する者に近寄ってはならぬ
 
2.たくさん人の集まっているところに立ち入るな
 
3.人の集まっている場所、電車、汽車などの内では必ず呼吸保護器(*マスクの事)をかけ、それでなくば鼻、口を「ハンカチ」手ぬぐいなどで軽く覆いなさい
 
 
・(はやりかぜに)かかったなら
 
1.かぜをひいたなと思ったらすぐに寝床に潜り込み医師を呼べ
 
2.病人の部屋はなるべく別にし、看護人の他はその部屋に入れてはならぬ
 
3.治ったと思っても医師の許しがあるまで外に出るな
 
(内務省,143-144)
 
 
部分的に認識違いはあるが、基本的には「マスク着用」「患者の隔離」など現在の新型コロナ禍に対する対処法と同様の認識を当時の政府が持っていたことが分かる。そして内務省は警察を通じて、全国でこの手の「衛生講話会」を劇場、寄席、理髪店、銭湯などで上演し、大衆に予防の徹底を呼び掛けている。またマスク励行のポスターを刷り、全国に配布した。マスクの無料配布も一部行われたというが、現在の新型コロナ禍と全く似ていて、マスクの生産が需要に追い付かなかったという。
 
100年前も全面休校
各自治体の動きはどうだったか。とりわけ被害が激甚だった神戸市では、市内の幼稚園、小学校、中学校等の全面休校を決めた(速水,198)。1919年には愛媛県が県として「予防心得」を出した。人ごみに出ない、マスクを着用する、うがいの励行、身体弱者はとりわけ注意することなど、おおむね内務省の「流行性感冒予防心得」を踏襲した内容である。学校の休校や人ごみの禁忌など、これまた現在の状態と重複する部分が多い。そしてこれもまた現在と同じように、各地での集会、興行、力士の巡業、活劇などは続々中止か、または閉鎖されていった。
 
この記事を読んだとき、同じことを今やっていることに驚いた。
 
デマも100年前からあったんだなぁ( ̄▽ ̄;)
今はSNSなどの利用であっという間に広がるけど、100年前はどのようなカタチでデマが伝わったかはわからないけど(たぶん口コミなんだろうなぁ)、人間の不安と恐怖は時代を越えて共通していると感じた。
 
 
 
また記事には
 
曰く、「厄除けの札を貼ったり」、「ネズミを焼いて粉末にした”薬”を飲んだり」したという(速水,178)。
 
とりわけ医学的には無意味な神頼みは尋常ではなく、例えば現在の兵庫県神戸市須磨区にある多井畑(たいはた)厄除八幡宮では、神戸新聞の報道として、「善男善女で…非常な賑わいを呈し兵庫電鉄は朝のほどから鮓(すし)詰めの客を乗せて月見山停車場に美しい女も職工さんも爺さんも婆さんも十把ひとからげに吐き出す」(速水,198)で、駅から神社まではさらに二キロ程度の山道で、社務所が用意した護符は飛ぶように売れた(速水,同)という。
 
人ごみを避けろ、と言っておきながら満員電車はOKというダブルスタンダードまで、現在の日本の状況と何ら変わらない。
 
日本に於けるスペイン風邪の大流行から、私たちは時代を超えた共通項を見出すことが出来る。そして人間の心理は、100年を経てもあまり進歩がない、という側面をもさらけ出しているように思える。どうあれ、私たちはスペイン風邪を乗り越えていま生きている。デマや流言飛語に惑わされず、私たちは常に過去から学び、「スペイン風邪から100年」という節目に現出したパンデミックに泰然自若として対応すべきではないか。
 
と書かれている。
 
 
 
 
写真:emmanmaさんによるphotoACより
 
 
今回の新型コロナウイルスも 100年前の教訓から何か学ぶことがあるのかも知れない。
 
 
100年に一度と言われる今回のパンデミック。
 
人類はスペイン風邪で打ち勝ち、そして生き残っている。近年は SARSの封じ込めはできたが、すべてのウイルスの封じ込めは難しいようだ。インフルエンザ、エボラ出血熱などは封じ込めができていない。人類はウイルスとの共存するしかないのだろうか。
 
 
 
ウイルスと人類の終わりなき戦いはこれからも続く――
 
 
 
 
 
 拜拜