『図鑑に載ってない虫』-脱力が生むあたたかさ- | Nothingness of Sealed Fibs

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見た映画、読んだ本、その他もろもろについて考えたことを書きとめてあります。

あんまり暇ではないのだけれど、勉強がすすままないので、腹いせに映画を見てしまった。

『図鑑に載ってない虫』 三木聡監督(2007年)


※三木聡監督は、シティーボーイズのコント脚本や、トリビアの泉の放送作家として知られる人物。

 映画監督としては、『イン・ザ・プール』、『亀は意外と早く泳ぐ』、『ダメジン』、『転々』などを手がけている。

 しかも、ドラマ『時効警察』の脚本も担当。

これまでの、三木監督の経歴を見れば、はずれ作がないことは予想できた。

しかしである。『図鑑に載ってない虫』は、予想を超える面白さで、楽しんでしまった。うかつにも2回見てしまった。


ストーリーは、フリールポライターの主人公(伊勢谷友介)が、なぞの虫”死ニモドキ”(その体液を飲むと、一度死んでから生き返ることが出来る)を見つけ出し、臨死体験のルポ原稿を書くように依頼され、アル中のオルゴール職人遠藤と”死ニモドキ”を探しに出るというロードムービー。途中、奇妙な人たちがなぜか同行してくる流れになり、いろいろ事件が起きる。


この監督の作品はもちろん、随所にまぶされた小さいネタが面白いのと、この作品ではなんたって、

セリフがいいのだ。


「人間には二通りあるの。いなくなるといなくなるタイプと、いなくなってもいるタイプ。」

「夏の終わりって、はっきりしているからさびしいのよ」

「反省しろ!」「やだね~人間、反省するから年とるんだ~」

「結局、おれは今生きてるのか死んでるのかわからない。でも、それはそれでいっか!!」

「うっかり死んでんじゃねーよ」

「あの時声をかけてれば、あの子は助かったのよ」


特に、菊池凛子はウマイ。雰囲気がすばらしい。あんま意味がわからない台詞を言うのがかなりうまい。

彼女のこの作品での役どころは、SMクラブで働いていた女の子。途中から、主人公たちと合流する。

自殺未遂を繰り返しながら(腕のリストカットの傷でワサビすれてるからね!!)、どこか気が抜けてて、メンバーに突っ込みながら、なんか気になることをいう女神的な存在を見事に体現している。


ナンセンスが、起動する、あたたかさ。

それが重要ではないがゆえに、逆に利害関係や自分のポリシーとかから離れて暖かく見ることができる事柄。


この作品は、「いなくなるといなくなるタイプ」を目指してるがゆえに、「いなくなってもいるタイプ」だと思う。

コメディ、ここに極まれり。