深冷の候、皆様におかれましては、冬の訪れを身に沁みて感じ始めたこの頃も、益々のご健勝のことと、お慶び申し上げます。
平素より、和歌山大学硬式野球部の活動にご理解、ご支援を賜り、心より感謝いたします。
11月17日の金曜日、第21回大阪市長杯争奪関西地区大学野球選手権大会 (以下、関西選手権大会) にて2敗を喫し、旧チームの敗退が決まった次の日、新チームが始まった11月5日から半月が経とうとしている今、自分は東京から大阪に帰る夜行バスに揺られながら、この旧チームの総括にあたるブログの文章を作成させていただいております。
旧チームの1年間、特に自分が主務を務めさせていただいた2022年の12月からの月日を思い返してみると、辛く、しんどく、もがき続けた思い出が多く蘇ってきます。
3連覇を目指し挑んだ春季リーグ戦での不甲斐ない結果。自分たち学生の人間的な弱さによって引き起こしてしまった様々な問題行動。このブログでは皆様に恥ずかしくて、情けなくて言えないようなことがあったことも事実です。
何かが起こる度に振り回される。そんな日々で、誰もがもがき続けていたと思います。
ただ、旧チーム、特に4回生の強さは、そこにあったのだと自分は思います。
主将の生田さんを初め、問題に対して他人事にしたり、見て見ぬふりをしたり、放っておくことはしなかったのです。全員がその問題について考え、行動し、全員がもがきながら戦っていたのだと思います。
3季振り5度目のリーグ戦優勝を果たした秋季リーグ戦においても、決して誰もが野球だけを気持ちよくできていたのかと言われると、そうではないと思います。自分自身も、自分たちの試合直前に他大学の試合の勝敗で優勝が決まった瞬間も、喜びや達成感はあまり感じなかったのが本音です。自分は、生田さんもそう感じていたのではないかと、生田さんと話をして感じました。『この優勝は通過点。目標はまだ先にある。』直接この言葉を聞いたわけではありませんが、生田さんの言霊を感じました。
迎えた関西選手権大会、弊部としては2度目の出場となりました。
初戦を接戦の末落とし、2戦目では弊部にとって歴史的な、関西選手権大会での初勝利を達成することができました。
そのことを知った後も、4回生はまだ先を見ていたと感じました。『何としてもあと2連勝し、目標である日本一を達成するためのスタートライン、明治神宮野球大会への出場権を勝ち取るんだ。』という強い意志を感じました。
結果は迎えた3戦目で奇しくも同じ相手にまたも惜敗。惜敗でも負けは負け。圧倒的な力不足を感じました。自分も情けないことに、グラウンドで感情を抑えることができませんでした。自分はこの関西選手権大会の神戸での3試合は、この1年間で感じた苦しみ、悔しさ、歯痒さ、喜び、感動、色々な物の集大成だったように感じます。
話を最初に戻します。なぜ今、自分が東京発大阪行きの夜行バスに乗っているかと言いますと、自分の活力を滾らせるためです。自分たちが目指している場所、東京に実際に行きたかったのです。
生憎天候に恵まれず、大学の部の試合は中止となり、午後から高校の部の試合が2試合行われることとなりました。
前日の放課後練習終了後、大阪発東京行きの夜行バスで来て、午前中には東京に到着しました。
午前中、明治神宮に参拝したときも雨は降り続いておりました。まだまだ力不足の自分たちに、『この場所に来るのはまだ早いよ。』と言われているような気がしていました。
本殿へ参りました後、絵馬を書かせていただきました。『今日は1人だが、次はチーム全員で参拝し、この絵馬をみんなで見るんだ。』と思い、『全員で帰ってくる。春も秋も。絶対。』と記させていただきました。
書き終え、絵馬掛けにお供えさせていただこうと振り返ったとき、それまでどんよりと曇っていた空から光が差したのです。下図の写真が実際の光景です。
その瞬間自分は、心の底から感動しました。幼いことを言っているようですが、本当に野球の神様に見守っていただいているような気がしました。
東京発大阪行きの夜行バスに乗ると、72期主将、金谷温宜さんの言葉を思い出します。
昨年2022年に行われた、第71回全日本大学野球選手権大会の1回戦敗退後、日帰りで帰和する控え組の帰りのバスに、試合後間も無い、宿泊予定の金谷さんが東京駅までお見送りに来ていただき、掛けていただいた言葉があります。
『忘れるな。人は忘れる生き物や。でも絶対今日感じたことを忘れるな。』
残り1年。自分は大変ありがたいことに、新チームでも主務を務めさせていただきます。
関西選手権大会の3日間で感じたこと全て忘れず、後1年、これまでの自分、今の自分、これからの自分全て懸けて、日本一というかけがえのないただ1つの目標、人間形成という揺るぎない目的を達成すべく、取り組んでまいります。
長々とした自分の末筆な情けない文章を最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。
最後になりましたが、昨年10月から始動した生田世代が野球にボランティア活動にと多岐に渡り活動し、様々な学びを得ながら邁進してこられたのも、日頃よりご支援、ご声援いただいている皆様がいてこそです。誠にありがとうございます。
早くも新チームは始まっております。来年は弊部は創部100周年を迎えます。この記念すべき年代であることに自覚と責任、誇りを持ち、弊部のこの記念に花を添えられるように、精進してまいります。
日頃応援してくださる皆様や、これまで歴史や想いを繋いできてくださった先輩方への感謝を忘れることなく、結果で御恩返しできるように、部員一同、取り組んでまいります。
和歌山大学硬式野球部
主務 山本直輝