このブログは毎週月曜日更新です。

今週担当のヤツメのやつめはどうしたのだろう。

ヤツメさんは忘れん坊で、講義に出るのもしょっちゅう忘れてしまいます。

あるいは、自分のペンネームを忘れたのかもしれません。

というわけで、ピンチヒッター俺(prof.K)。

 

 

「学ぶは真似ぶ」と言われるように、学ぶことは真似をすることから始まる。最近はコピペ(盗用)が厳しく取り締まられるようになってきたので、真似ること自体がダメであると教える先生もいる。しかしこれは誤りである。コピペと真似は違う。

 

自分の手本となる人を見つけて、その真似をすることは、研究室で実験を始めたビギナー研究者にとって有効な手段である。学会で優れたプレゼンテーションを聴講して、それを真似るというのも上達の早道だ。

 

しかし、それが単なる猿真似になってしまうと残念だ。猿真似とは、中身を理解せずに見かけだけ真似ることである。猿真似はオリジナルを超えられない。

 

もうずいぶん前、私が駆け出しの暴れん坊若手研究者だった頃のこと。ある学会で、一流誌上に1,2年前に発表されたのとそっくりの、しかしそれよりも内容はかなり劣る研究を口頭発表している同年代の研究者がいた。私は挙手をして、フロアから以下のコメントをした。

「この研究は、○○らが××誌に発表した研究を下敷きとして行われた研究ですね。真似するのはよいですが、最後まで徹底的に真似をすべきと思います」

ちょいとやりすぎかなと思ったのもつかの間、もちろん会場には冷たい空気が流れ、発表者は凍り付き、私はあとで偉い先生方に叱られた。

 

発表者の方には大変申し訳なかったと思う。でも、それがホンマモンよりも1ミリでも先に出ていれば、言い換えると、よりホンマモンらしいオリジナルがほんの少しでも加わっていたなら、まったく文句を言うつもりはなかった。先行研究には言及されず、すべての情報は先行研究の内側に存在していたことにイライラしてしまったのである。

 

今ルパン三世の声をやっている栗田貫一は、オリジナル(山田康雄)のルパンのものまねをウリにしていた芸人である。先代亡きあと、正当な跡継ぎとなった。オリジナルのルパンよりもルパンらしいルパンだ。

 

 

来週はヤツメさんです。乞うご期待。