2024/02/27  北青鵬引退 | 虚弱爺の俗物的日録

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「一身にして二生を経(ふ)る」の二生目を生きるにあたって、サンデー毎日の日常を記録したい。なるがままに。

北青鵬の引退届が相撲協会に受理されました。宮城野部屋における北青鵬の暴行事件が明るみに出たことによります。彼の暴行事件を「知らなかった」宮城野親方(元白鵬)は2階級降格処分だそうです。「知らなかった」で済む立場ではないということでしょう。

相撲をテレビで見ていて思うに、過去現在を通じて最も相撲解説がうまいのは宮城野親方で、次は中村親方でしょうか。宮城野親方は、勝敗の決着がついた後に、ビデオを見る前に、「マワシに小指がかかっていたから今の投げが効いた」などと解説してくれます。その後にビデオを見ると確かにマワシに小指がかかっていたことがありました。瞬間的な動きの中で小指の動きまで見えるなど目からウロコです。名解説です。体の使い方や技の出し方などに対する瞬間的な観察眼やそれを表現するボキャブラリは他の追随を許しません。野球の野村元監督の解説を思い出します。地頭が超いいんでしょう。だから優勝を45回もできたんでしょうね。ほかの親方の解説はビデオ再生を見ながら動きをなぞるだけです。多くのゴルフ解説者と同じです。(;^_^A 

しかし現役時代はどうだったか。不世出の大横綱だけあってもちろん絶大な人気がある反面、反感も買っていました。反感の正体は、例えば、張り手やエルボウスマッシュに近いカチアゲ、相手が土俵を完全に割っているのに土俵下に突き落とす、対正代戦では極端に仕切り線から後方に構えた、などなどです。

もちろん張り手は、相撲技としては認められていますが、格下が上位者に対して使うもので横綱が使うものではないというのが不文律です。技として認められているからとやかく言われる筋合いはない、という意見もあるでしょうが、それは相撲文化ではありません。

60年ぐらい前だったか横綱大鵬が確か平幕の鶴ヶ嶺(?)に対して張り手をして勝った相撲を朧気ながら今でも覚えています。今でも覚えているということは子供心に印象深かったんですね。それが原因というわけではありませんが、相撲は大鵬よりも柏戸、野球は長嶋よりも王ファンでした。(笑)


法律や規則以外にも守らなければいけない不文律というのは、いろいろな分野でいろいろな局面に存在します。

例えば米国の野球のメジャーリーグでは、圧倒的大差がついているゲームで、勝っているチームの9回表ランナー一塁のとき、一塁ランナーが二盗してはいけません。二盗すると顰蹙を買って報復を受けることがあるようです。ルールブックには書いてありませんが、一方的なゲームで盗塁などしてはいけないのです。Unwritten Rule=不文律。文化です。

宮城野親方は理事長を狙っていますが、相撲協会を辞めてTV解説者になれば不世出の相撲名解説者になれると思うんですがね。