『シリコンバレーのドローン海賊』 | marginalia

ちょっと前になってしまいましたが、5月11日に創元SF文庫から刊行された『シリコンバレーのドローン海賊 人新世SF傑作選』の巻末解説を書いています。

 

 

例によって解説はweb東京創元社マガジンで公開されています。

 

 

「ハードSF」的というのをどう考えるか、というのは人さまざまになっている昨今ですが、ここではハイテクが主題になっているリアル志向のSFくらいの意味です。もっとも、「菌の歌」などはテクノロジーに関するファンタジックな思弁が核になっている作品だったりするので、「リアル」というのもなかなか幅を広く取っています。SFには技術を楽天的のとらえる作品も多くあって、このアンソロも基本はそういう風に見える作品が多いです。ただラストに納められた作品がとにかく陰鬱な物語でびっくりしました。ホープ・パンクに対する編者の複雑な感想が窺えるのかもとか思って(邪推?)しまいました。