出演依頼を頂いてから、ずーっと楽しみにしていた、チェコでのコンサート。


お陰様で、幸せいっぱいに歌い終えました。





世界遺産に登録されている、「ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会」。


想像していたよりも大きくて、とても素敵な場所でした。



あまりにも大きくて、建物を見ただけでは、5つの角がある星型をしてる事はわからないのだけど


教会のあちこちに5角形が散りばめられているし


Googleマップで見ると、ちゃんと星形をしているの!



出演依頼を頂いて、これをGoogleマップで見た時から「こんな形の教会があるの?!」とびっくり&ワクワク。


こんな素敵な場所で、共演者のお二人、そしてお客様のおかげで、とても心温まる時間を共にする事が出来ました。


長年チェコ語を勉強している親友が「Zelená hora(ゼレナー・ホラ)は“緑の丘“という意味だよ!」と教えてくれていたのだけど


名前の通り、緑の丘の上にある教会で、まるでおとぎ話の世界に出てきそうな、絵に描いたようなロケーションでした。

 




「チェコでとても有名な音楽家の2人と演奏してもらう予定だよ!伴奏はオルガンだよ!」とだけオーガナイザーさんから聞いていたけど


フルートのJiří Stivínさん、オルガンのVáclav Uhlířさんとの共演でした。


私が共演するだなんて烏滸がましいくらいのお二人でした...依頼を引き受けた時点で知っていたら、もう緊張と恐怖で、心が持たなかったかもしれません。


お二人とは、コンサート当日がもちろん初めましてでだったのだけど...


スティーブンさんは82歳、ウフリージュさんも70歳と思えないほど、パワフルで、フレッシュで!


お二人の演奏姿に無駄はなく、特に身体で「表現」するという事は一切なく、ただシンプルに立って、座って演奏していたのだけど


2人の紡ぎ出す全ての音は、まるで調理中のポップコーンみたいに、どの音も個性を持って弾けていて、生きていて!


私も出演者なのに、彼等の演奏中は、私もお客さんとして演奏を楽しんでしまいました。


会場が歴史ある教会なので、今回は休憩なしで1時間プログラムのバロック作品コンサートだったのですが


私はヘンデルの作品から、オペラアリアを4曲を歌いました。


ちなみにオルガンが教会の最上階である3階にあったし


「声が上から降り注いできたら、美しいんじゃないかな?やってみようよ!」


というウフリージュさんのアイデアで、オルガンの隣で歌う事になりました。









ちなみに天井にある赤いものは、舌だそう。


あまり高い所は得意ではないので、ちょっと怖かったです。


でも、通常は登れる場所ではないし、普段は見る事が出来ない光景だったので、怖さ半分、ワクワク半分でした。


ただ、リハーサルの時、細い狭い螺旋階段で3階まで上がってすぐに歌おうと思ったら


息が上がってしまって流石に歌えなかったので...


息を整える為にも、コンサートが始まる20分前には上に上がって、お客さんが座っている様子を上から眺めていました。


そして息を整えている時に、プログラム順の確認の為に司会者さんさんが上まで訪ねて来てくれて...


4曲とも上から歌うはずが、「せっかくだから、最後の曲は下で歌ってよ!僕が司会で繋ぐから、移動は問題ないよ!」と。


3曲目を歌い終わって、司会者さんが話してる間に、オルガンのウフリージュさんと共に、急いで階段を駆け降りて、地上で歌いました。


でも、そのお陰でお客さん一人一人のお顔を見ながら歌う事が出来て、本当に嬉しかったです。


それにしても、スティーブンさんとウフリージュさんの音が本当に素晴らしくて。


コンサートの後に、オーガナイザーさんがホテルに車で送ってくれたのだけど


「スティーブンさん、国から叙勲されてるんだよ〜」と教えてくれて「なるほど!」となりました。


そして「歌う前に知らなくて良かった...」とも思いました。


お二人とも凄い方なのに、とてもチャーミングだったし、その凄さを凄味として一切出していらっしゃらなくて。


演奏し始めたらめっちゃくちゃ凄い、だけど演奏してない時はチャーミングで面白いお爺ちゃん。


私もこんな人になりたいなぁ、年齢を重ねた先はこんな人でありたいなぁと思いました。


それにしても、そんな凄い方って知らなくても、当たり前だけど、会話やリハーサルを通して「凄い...」と抜け殻になってしまったリハーサル後だったのだけど


抜け殻なのに、余計に緊張が増してしまって焦っている状態で「残り約1時間半、どうやってリカバリーしよう」と教会の外に出てみたら、ものすごい絶景。




小一時間ここに座って、ただ座って楽譜を見直したり、何も考えずに景色を見ていたのだけど


昔の人々が、ここに教会を作った理由がなんとなく分かったような気がしました。


また興奮してるから、纏まりなく、長くなってしまって反省。


オーガナイザーさんから、コンサートの写真貰えるかな。


コンサートで立派な花束を頂いたのだけど



10時間近い移動も頑張って生き抜いてくれて...ブダペストのお家が、とってもいい香りで満たされています。



花瓶がないので、持ってる一輪挿しをフル稼働です。


本当、幸せだなぁ。


音楽が、色んな人や場所に自分を運んでくれて、繋いでくれて、新しいものにも出会わせてくれて


とても幸せです。


長くなりすぎたので、今日はここで終わり。