パーフェクトデイズ!


やっと見に行けました。


カンヌ国際映画祭に出品された時、その時はまだ日本未公開作品で


父から「トイレ掃除のおじさんの、面白そうな映画知ってる?役所広司のやつ。そっちではもうやってるんじゃないの?あれ面白そうなんだよね」って教えてもらってから


ずーっと見たくてたまらなかったパーフェクトデイズ。


念願叶ってやっと見に行けました。


芸術作品かな?って思うほどの美しい映画館で鑑賞しました。





禅みたいな映画で、つまらない、けど見て良かった!と心底思えた、個人的には満たされた作品でした。


パーフェクトデイズは、ハンガリー語ではtökéletes(完璧な) napok(日々)で直訳そのまま。


日本語音声・ハンガリー語字幕で、ハンガリー語がわからないながらも翻訳の難しさを感じました。


歌や音楽でも「完璧」(パーフェクト)を追い求めて日々練習して、それに向かって取り組んでいるのに


完璧でないと評価されないのに、完璧なだけでは評価されない。


レッスンやオーディション、講評で「完璧でつまらない、退屈」と言われる・評価される場面が時々あると感じるけど


まさに私にとってのパーフェクトデイズは、それそのもので


完璧は退屈で、でもとても美しいもので


その美しさに気付くのは、それらの中から何かを失ったと気が付いた時で


でも、その失った先に広がりゆくものも、また美しいんだろうなと思いました。


本当、言語化能力が無くて、上手く説明できない。


最後、5分くらいかな?それ以上かな?


スクリーンいっぱいに俳優・役所広司の顔だけが映されるシーンがあったのだけど


それが本当に素晴らしくて、美しくて


やっぱり言葉のない場所にこそ、物事の本質はあるのかなと思いました。


音楽家だからこそ、譜面上に音がない所でこそ、音楽をしなくては駄目だと改めて感じました。


お客さん、私を含めて10人もいなかったけど


わたしはエンドロールの中の照明さんや音響さんの名前も含めて、一人一人の名前、映し出される文字の全てを見てから映画館を出たいので、どんな作品でも最後まで座ってるんだけど


映画館ではエンドロールになった瞬間に出ていく人も多い中


パーフェクトデイズでは、誰一人出て行かなくて、そこもなんだか嬉しかったです。


畳を掃除するのに、濡れた新聞紙を撒いて、箒で掃いてるシーンとか

(私以外のお客さん、みんなハンガリー人だったけど、最後はちゃんと掃除してるって理解してたし)


一切説明がなくとも、何なのかを伝えられる・伝わるその技術やセンスって凄いなぁとも思いました。


それに、どこにも大和ハウスを感じれなかったんだけど、流石初代ダイワマン・役所広司!


トイレの建物に大和ハウスが携わってたのかな?


最後のクレジットでダイワハウスのロゴを見て、「ダイワマン!」と声を出してしまいました。


本当に見に行けて良かった!


今年2024年に公開予定の映画で、去年から楽しみにしてる作品があって


まだ公開日も発表されてないのだけど、早く観たいなぁ。


この夏の日本滞在中も、去年のように何か映画館に映画を見に行けるといいなぁ。




それはそうと、今は5年に一度の欧州議会選挙が行われていて


ハンガリーは、統一地方選挙と併せて今日が投票日。


今朝6時から投票が始まっています。


税金も納めてるし、私にも選挙権あるのかなと思って昨日色々と調べてみたけど


選挙名簿への事前登録が必要だとか、投票所は送付されたお手紙に記載されてるとかがわかって


居住区内で何処が投票所なのかという情報には辿り着けたけど、私にはお手紙は送付されてないし


ここ最近バタバタしていて、選挙がある事はもちろん知っていたのに何も調べられてなくて、昨日の今日では流石に無理だなと思って断念。


3月の終わり頃から、特にここ数週間、ハンガリー、少なくとも居住しているブダペストでは


周りの友人と話していても、街の様子を見ていても


外国人ながらにも、民衆が変わろう・国を変えようとしている渦中にあるのかなと感じていたからこそ


知らない・わからない、ではいけないなと思いました。


日本語でもちんぷんかんぷんだけど


歴史に関する事、政治に関する事の会話が出来るくらい、語学がいつの日か習得出来るといいなぁ。


とりあえず、私は私だけのパーフェクトな毎日を目指して、日々の瞬間瞬間を美しく重ねることを心掛けてみようと思います。