そういえば、大学院コレペティ科の入試のお手伝いをしました。

オペラ試験の日、20分の休憩中、セルヴィリアからイリアへ変身中に

いつも伴奏をしてくれているミクローシュ先生が「コレペティ科の入試で歌って欲しいんだけど、この日、時間ある?」と聞かれて、即答で「はーい」とお返事。

試験日2日前、改めて先生から連絡をもらったら、「声楽の初見伴奏(器楽の初見伴奏もあった)」と「オペラ重唱伴奏(受験者には曲目だけが伝えられてて、全てのパートを弾き歌い出来るように、って指示してたみたい)」の要員とのこと。

初見伴奏で、何か日本語の歌が欲しい、とのことだったので、試験日前日に楽譜を持って先生のもとへ。

これまで、コンサートで何回も伴奏してくれている山神くんも、コレペティ科を受験することを知っていたのだけど

わたしが歌うのを教えちゃったら不公平だと思って・・・というか、そもそも何を歌うのか、詳細がギリギリまでよく分かっておらず、沈黙。

オペラ試験にも聴きに来てくれてて、終演後(既に入試で歌うことは引き受け済)にお話しした時も、「試験頑張れ」とだけ言って会話終了。

試験当日、不安になりながら会場に行って(場所も時間も"多分、Xの部屋で10時開始だったと思う!服装は普段通りでいいよ!"という先生からの連絡だったから・・・)

既にスタンバイしてた山神くんに「あれ?今日試験?試験がんばれ!そういえば、会場ってここ?何時から?」と、とぼけながら確認。

「試験曲ってなんなの?初見もあるんだね~」なんて話をしながら試験開始直前まで、歌うのを黙ってたことは本当に心苦しかったです。

ただ、これまでも伴奏してもらっている山神くんの頑張りを、試験会場で、審査してる先生たちより誰よりも近い場所で、応援できたのはとても嬉しかったです。



試験は、最初から最後まで先生の隣で座りながら、受験生全員の演奏を聞けて(会場の雰囲気が穏やかだったというのもあるけど)ルンルンでした。

というのも、コレペティ科の入試は、受験生それぞれが器楽、声楽のパートナーを連れて来ていて、それがバイオリン・チェロとのトリオだったり、バイオリンだけだったり、クラリネットだけだったり。

歌もオペラアリアだったり、歌曲だったり。

それに加えて、ピアノソロも課題となっていたので、受験する側は準備が本当に大変だったと思うけど、その分聞いていて全く飽きない試験でした。

受験生に頼まれて譜めくりしたのも楽しかったし

わたしがお手伝いした曲は、同じ曲なのにそれぞれ作り方が違って、それもまた楽しめた理由のひとつです。

歌は共演者、伴奏者あっての演奏だからこそ、コレペティ科の入試に少しでも携われたことが嬉しかったです。



実は同じ日の同じ時間、ショルティホールでは大学院オペラ科の入試(歌唱)も行われていて

BA3年生のお友だちたち何人かとも遭遇して、「ヒロコ、入試聴きに来たの?」と質問されて(今年も入試中、客席に入れたのかな?)

「違うよー!コレペティ科のお手伝いー!来年一緒に歌いたいよー!がんばれー!」というやり取りを何度かしたのだけど

コレペティ科入試の審査を終えたミクローシュ先生は、ご自身も伴奏する為、急いでオペラ科の入試会場に向かっていて

入試ひとつとっても、コレペティに求められていること(というか、わたし自身も求めてしまうこと)はとても多いのに、みんなとてもいい人で・・・

本当に、共演してくれる伴奏者に感謝感謝だなぁと思った一日でした。