ちょっと長いけど、たまには学校の授業のことを。
特に写真とかはなし。
今週は、通常の授業の他に、月曜日から土曜日まで毎日4時間、オペラワークショップがありました。
ドイツのベルリンから演出家のフランクさんを招いてのワークショップ。
自分が与えられている課題にそれぞれが取り組むスタイルで
ワークショップと言えど個人レッスン的な時間で、自分のレッスン時間にスタジオに行けば良かったのだけど
みんなのレッスンを見ていても本当に楽しくて
結論から言うと、心がアップアップだったけど、とても楽しくて素晴らしい時間でした。
初日は全員一緒で、一切歌わずに、3時間ノンストップ。その後ちょっと休憩して、約1時間。
文字の如く部屋中を走り回ったり、グルグルその場でスピンしたり、大声で笑ったり、大声を出して泣いたり、発狂しながら突進したり。
初日に一番時間をかけて取り組んだのは、枕投げ。
「みんなで大きな輪になって、一つの枕を様々なシチュエーションを作って、無言で25回連続で投げ合ったところで止める」
という簡単なゲームなのだけど、それがとても難しかった。
床に落としたら、それが例え24回目でも最初からやり直し。
「届いてないってことは、それが残り1回だろうが2回だろうが、ゲームクリアにならないよ」
っていう先生の言葉が胸に刺さりました。
枕が冷たかったり、臭かったり、熱かったり、聖なるものだったり、アイコンタクト禁止だったり、25回の中にエネルギーの波を作ったり。
「怒り」をテーマにしていた時、枕が崩壊してスタジオ中が綿だらけになっても、枕投げは続行。
最終的に、綿をかき集めながら投げ続けたのだけど、とても楽しかったし、面白かった。
2日目からは、それぞれの課題レッスンだったのだけど、先生が20世紀初期のフランスオペラが得意ということだったので
わたしはプーランクの「人間の声」の1部分を課題として渡されていたので、取り組んでいたのだけど。
フランス語がほぼ初心者の私には凄く難しくて、音楽も難しくて、当初渡されていた部分から大幅カットしてもらいました。
登場人物が女性たった一人というオペラなのだけど、とてもサイコロジーな作品であること、それは現代にも通ずること
あと、歌手マリア・カラスの存在がきっかけで、この作品の作曲に至ったというこぼれ話も教えてくれました。
(作曲の経緯はわたしが無知なだけかもしれないけど。
帰宅後、教えてくれたことを頼りにYouTube探検してたらプーランクがそれを喋ってるの見つけることができたのだけど、
古い映像でボケてたけど英語字幕がついてたから分かったものの、語学が出来るようになりたい。)
「さぁ、部屋中の物を破壊して、全てを壊して、歌う環境を整えてから歌って」
「もっと壊せると思うよ~。まだコントロールしてるでしょ?もっともっと~!」
「もっと出来るはずだよ~。どんどん良くなってるから、ボーダーを越えてごらん」
と言われて、色々とバンバン・ハッスルして、寝転んでジタバタしながら歌っていたら、
ワークショップが終わった今、手のひらや膝にはアザが出来てるし、お尻も痛いです。
音楽のことを色々書くと、どうしてもわたしは長くなってしまうので、ここで止めます。
ただ、ほかのみんなのレッスンを見ているだけで、とっても楽しかった。
そういえば今年のオペラの学生は、1年生と2年生合わせて7人で、そのうち、ハンガリー人はたった二人。
メキシコ、ベトナム、スロバキア、カザフスタン、日本っていう、とても国際色豊かなメンバー。
スロバキア、ベトナムの子はハンガリー語が分かるし、今のところ普段はハンガリー語で進んで、適宜英語を言ってくれてる授業が多いのだけど
今回のワークショップは英語で行われました。
でも先生の話す英語がとても速くて、頭フル回転でした。
なにより、ふとした時に見せてくれた先生の演技が素晴らしくて、先生を見ているだけで心が動いて泣きそうになったりしていたので
Facebookの投稿にはとっても鮮やかな舞台の写っていたし、演出した作品を見てみたいと思いました。
あと、お芝居も。
先生のホームページを見たら、今年度のプロダクションは、ハノーファーとフライブルクと書いてあったし
劇場のホームページ(英語ページがない・・・その点ハンガリーは英語ページあることが多い気がするから嬉しい)に掲載されてる写真も、とても配色鮮やかで現代的な衣装でワクワクしたので
ドイツには劇場オケにいる仲良い後輩もいるし、留学している大学院の同期もいるし、是非ハンガリーにいるうちに訪れてみたいと思いました。