
ザ イースト(2012年)
監督 ザル・バトマングリ
出演 ブリット・マーリング
アレクサンダー・スカルスガルド
エレン・ペイジ
**環境テロリスト集団イースト。彼ら独自の判断により、悪の元凶とみなした企業、その関係者に対して危険な抗議活動を繰り返していた。元FBIの捜査員サラは環境テロリストからの攻撃を受ける可能性を持っていた企業からの依頼により、イーストと接触、潜入し彼らの動向を探る役目をかってでた**

主人公の潜入捜査員が、医者の妹のエピソードを聞かされ簡単に動揺してしまう姿がとても理解できなかった。しかも元FBIなのに。彼女の立場なら、医者の処方ミスと判断する方が自然だと思う。製薬会社に非があろうと、薬の副作用を認識しきれずに処方してしまったので結局は医師の判断が誤っていたようにしか思えない。それでも、彼女の心に明らかに迷いが生まれていた。そして、最初は抵抗しながらも次第に身をゆだねていってしまった。
この医師のエピソードはある意味核心を付いているのかもしれない。テロルやカルトに妄信してしまう人というのはこういう事なのだろう。心に響く人とそうで無い人、ただそれだけの違いなのかもしれない。年齢、性別、職業は関係無いのだろう。誰もがもっているであろう、優しさの一面であり愚かさ。とても恐ろしい。
そして、この元FBIという設定も良くきいていた。たとえ知性があり判断力に優れた人物であろうと、集団のなかに身を置き、身近に接している事で判断が鈍り思想が感化され過ちを犯す事も充分にありえるように思えてしまった。部外者の目から見ると、陳腐としか見えないものが時として心を揺らす。サラとリーダーとの情事もそういったものの一つの様に思える。情熱的だがあまりにも軽率。
こういった部分はテロリストの目線から描いているようだが、どこか否定的で冷ややかな目線として写る。腹を開く2つのシーンなども象徴的だった。鹿の腹を開いた時は、失敗し切り過ぎてしまった。その時は異臭を漂わすだけですんだ。メンバーのイジーの腹を開いた時は、弾を摘出する事に成功した。それでも彼女はそのまま死んでしまった。彼らにいったい何が出来るのか?理想を掲げるだけで犯罪以外は特に何も出来ない。手段が間違っていたら、どんなに美しい理想を持っていても犯罪でしかない。手段を誤って富を築いている彼らの敵と何ら違いは無い。
最終的には犯罪者に鉄槌が喰らわせられなかったので、登場人物全員が不幸になってしまった。とても絶望的。
とても気に入った綺麗な画像。

