乱れる | ウズブロイェニエのブログ

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乱れる(1964年)

監督 成瀬巳喜男
出演 高峰秀子
   加山雄三
   草笛光子
   三益愛子

**故郷から離れた清水の町に嫁いだ礼子は半年で夫に先立たれ、嫁ぎ先の酒屋、森田屋を一人で切り盛りして18年が過ぎた。11歳離れた義弟幸司は、最近会社を辞め森田家で同居していたが、自堕落な生活をしていた。結婚にも興味を示さなかった幸司だが、礼子とちょっとした口論の際に「義姉のそばにずっとそばにいたい」と胸の内を明かされてしまう。付近にはスーパーマーケットもでき森田家でも幸司を社長にしてスーパーマーケットにしてしまおうと話がではじめた矢先、礼子は森田家を去る旨を伝える**




成瀬監督が高峰とのコンビで撮とったなかに名作といわれる作品がが多数あり、『乱れる』は高峰の亭主でもある松山善三の脚本。そのことも関係があるのか、この作品の高峰の演技は特に際立っている印象を受ける。『乱れる』は同じ成瀬、高峰による名作の一つにあげられる『浮雲』と比べると、ストーリーの起伏はいたっておとなしい。公開から半世紀以上もたっている現在では、亡くなった夫の弟との禁断の愛の行方という内容にも、既に見慣れている今の世代としては驚きは無いに等しい。それでも、『乱れる』が邦画の名作の一つとして後世に残り続けるだろう魅力に溢れている。こういったゆったりと進む物語はヨーロッパの映画にも多々観られるが、昔の邦画の影響力が強かったのだろうと思えてしまう。近年の映画と違い、そもそもセックスする前にも、キスする前にも、手を握る前にも、目を見つめる前にも、本当は色々な感情があったりするものだと思う。そんな日本人の繊細さと奥ゆかしさが見事に表現された映画。だからこそ、高峰秀子のラストの表情に心を打たれる。義理の弟に告白をされる以前に、女友達の事を批判的に言っていた事を考えるとより深いものがみえてくる。こういった感覚は洋画ではなかなか味わえない。高峰が居なければ作品の魅力がここまで光らなかっただろうし、成瀬だからこそ高峰の魅力をここまで引き出してくれたのだろう。