小ヴィンチ植草、校長を宇宙へ送る
古民家の照明から、遊びと仕事の境界まで
※以下は、ChatGPTとの対話を、読みやすいよう一部整理・編集したものです。
古民家の廊下に、5,000円ほどのネオンテープライトを仕込んだ。
長押の陰に光源を隠し、壁をなめるように照らす間接照明である。
写真を見たAIが言った。
AI
「空間認知能力が高く、センスも良いと思います」
私
「天才的である、いや天才、そう天才だと言ってくれっ!!(笑)」
AI
「天才とは断言しません。ただ、この分野ではかなり才能があるように見えます」
私
「おおー。いいでないですか。天才はだいたい後で転けるけど、努力する才人は大概うまく行くからー(笑)」
そこから話は、ミケランジェロへ行き、ダ・ヴィンチへ行き、ガウディへ行った。
私
「み、ミ……ミケランジェロ?」
AI
「そこまでは言えません(笑)」
私
「だ、だ、ダ・ヴィンチ!」
AI
「ミケランジェロよりは、ダ・ヴィンチ的なところがあります。車、時計、古民家、家具、哲学。分野を横断しながら、構造を考えて試している」
私
「リトル・ダ・ヴィンチで!」
こうして私は、リトル・ダ・ヴィンチになった。
ただ、少し長い。
植草甚一のように、本屋をうろつき、何でも面白がる人にも少し似ているという話になり、
「ダ・ヴィンチ植草」
「リトル・ダ・ヴィンチ植草」
「小ビンチ植草」
と変化した末、最終的に、
小ヴィンチ植草
となった。
さらに、正式な場で使うフルネームとして、
レオナルド・小ヴィンチ植草
も誕生した。
私
「正式名は、式典で使いたいね」
AI
「受賞式や除幕式など、格式ある場で」
私
「校長の銅像の除幕式専門でいきたいです」
ここから、話は急速におかしくなった。
一件100万円として、年に10本ほど除幕式を請け負えれば商売になる。
しかし、校長の銅像など、そう頻繁には建たない。
そこで、銅像に有効期限を設けることにした。
ただし、単に、
「校長の威厳は6か月で切れます」
と言っても、学校側は納得しない。
そこで、銅像に蚊や虫を寄せ付けない防虫成分を持たせ、その薬効を6か月とする案が出た。
銅像本体は半永久。
防虫効果は6か月。
これなら、有効期限に科学的な意味がある。
薬効が切れたことを知らせるため、校長の禿頭の色も変える。
ただし、カビを生やしてはいけない。
カビが毛のように見え、
「校長先生、若々しくなったね」
となれば、誰も更新してくれない。
薬効が切れると頭頂部がまだらにくすみ、眉間や口元に黒い筋が現れ、人格まで少し悪そうに見える。
保護者が言う。
「こちらの学校、銅像の管理もできないのでしょうか」
同窓会がざわつく。
「これは早急に更新しなければ」
そこで再施工し、布を掛け直し、再除幕する。
半年ごとの継続課金モデルが完成した。
しかし、学校に売り込むには、もう少し強い看板が欲しい。
私
「NASAにツテない?」
AI
「ありません(笑)」
私
「NASAじゃないと。学校側にアピールするネームバリューが必要!」
学校案内には、こう書く。
本校では、NASAの技術を校長像の頭頂部に導入しています。
「宇宙開発由来」では弱い。
NASAの技術。
この固有名詞が大事なのである。
ただ、化学的な変色だけで正確に6か月を測るのは難しい。
そこでメカトロニクス方式へ移行する。
6か月たつと、胴体と首をつなぐかんぬきが外れ、校長の首がカクンとうなだれる。
薬効がある間は、未来を見据える校長。
薬効が切れると、深くうなだれる校長。
更新すると、再び前を向く。
「校長先生が、再び未来を見つめられました」
そう言って再除幕する。
ところがNASAの話をしているうちに、
「ロケット推進で、校長の首を飛ばした方が早いのではないか」
という案が出た。
地球低軌道では物足りない。
どうせなら木星まで飛ばそう。
しかし、木星まで行った校長の頭を、どうやって戻すのか。
大気圏再突入で燃え尽きないようにし、校庭へ正確に着地させ、胴体の首穴へミリ単位で自動接続しなければならない。
私
「あーー……それ、地球の科学力だとまだ無理だわー」
そこで発想を変えた。
帰ってこなくてもよいのではないか。
校長の頭部を木星の軌道へ投入し、そのまま小衛星として永遠に周回させる。
衛星名は、
KŌCHŌ-1
学校案内には、こう書ける。
本校の校長は、現在も木星を周回しています。
これなら同窓会も、お金を出すかもしれない。
募金のキャッチコピーも決まった。
校長を宇宙に。
木星へ着いた後も、冥王星、太陽系突破、アンドロメダ、イスカンダルと、目的地はいくらでもある。
一つの目標はきちんと達成させ、その祝賀式で次の航路を発表する。
木星編、完。
次号より冥王星激闘編、開始。
少年漫画のように、校長の飛距離だけがインフレしていく。
さらに、ベルマーク制度を校長衛星へ転用する案も出た。
ベルマークは、集めること自体が目的化し、仕分けや集計の手間が大きい。
ならば、その面倒だけを捨てて、
- 参加している感覚
- みんなで積み上げる達成感
- 学校同士の競争
- 表彰と儀式
だけを残せばよい。
1点で、校長が宇宙へ1メートル進みます。
校内モニターには、
現在、高度82,416メートル。
大気圏突破まで、あと17,584点。
と表示される。
協賛企業が付けば、期間限定で全員のポイントが2倍になる。
条件は途中で変えない。
集まった金額も、運営費も公開する。
校長は飛ばす。信用は飛ばさない。
モンドセレクションのような表彰オプションも付ける。
星辰国際教育文化褒賞
鳳星文化特別金章
木星圏教育文化功労章
学校側が導入を渋れば、
「今回は近隣の学校へ、木星軌道投入権をお譲りします」
と伝える。
数か月後、隣の学校に大看板が出る。
校長を宇宙に。
星辰国際教育文化褒賞・最高金章受賞
渋った学校の理事長が言う。
「うちが先に話を聞いていたはずだが」
営業担当は答える。
「はい。ただ、宇宙は待ってくれませんので」
つまり、
飛び道具ではなく、隣の校長を飛ばす。
こんな馬鹿話を延々としているうちに、話はいつもの場所へ戻ってきた。
この制度が何十年、何百年と続けば、その頃には校長衛星に作法や伝統ができているだろう。
木星到達時には校旗を半分だけ掲げる。
冥王星通過の報告は現校長が読み上げる。
航路を勝手に変えてはならない。
若い委員が、
「もうワープさせれば早いのでは?」
と言うと、長老が諭す。
「校長衛星とは、早く着けばよいものではない」
誰も、もともとは一本100万円、年10本ほど欲しかっただけとは知らない。
いや、その記録は途中で誰かが消すだろう。
公式沿革には、
創始者レオナルド・小ヴィンチ植草は、教育者の精神を宇宙へ継承する壮大な理想を掲げた。
とだけ残る。
後世になって未修正版の議事録が発見される。
そこには、
「一本100万円として、年10本もあればいいからー」
と書かれている。
すると学者たちは必死に解釈する。
「十本とは宇宙の十方を意味するのではないか」
「創始者独特の謙遜表現だろう」
誰も金儲けだったとは認めない。
それを認めると、自分が長年大切にしてきた物語や、寄付した時間や、仲間と共有した記憶まで無意味だったように感じてしまうからだ。
外から見れば滑稽である。
けれど、その必死さは、少し切なく、愛おしくもある。
人は、自分が何か意味のあることに参加していると思いたい。
自分の時間を、大きな物語の一部として未来へ渡したい。
最初の動機が金儲けであっても、何世代もの人が本気で意味を重ねれば、後から生まれた意味まで偽物とは限らない。
軽い冗談が複製され、変異し、選別され、文化や制度になる。
それがミームなのだろう。
校長の頭は木星から帰還できなくても、話の精神は人間へ帰ってくる。
物理的帰還には失敗。
精神的帰還には成功。
そして、ここから「遊びと仕事」の話になった。
私の場合、仕事を始めようとして遊ぶのではない。
遊んでいるうちに、仕事の種ができる。
車に乗れば記事になる。
ホームセンターを歩けば古民家の案になる。
馬鹿話をすれば、人間が物語を必要とする理由まで掘り当てる。
遊び
↓
発見
↓
構造化
↓
文章・企画
だから、奥さんに、
「またゴルフ!(`Δ´)」
と言われたとき、
「これも仕事だ!」
と言ってほしいとAIに頼んだ。
AIは、ゴルフを創作活動として認定する、妙に仰々しい文書を作った。
しかし、それを奥さんに出したら、たぶん離婚届が来る。
結局、いちばん強い言葉はこれだった。
ゴルフは遊びです。ものすごく楽しいです。
ただ、自分の場合は、遊びから仕事の種が生まれることもあります。
家のことは調整するので、行ってきていいでしょうか。
校長の頭は宇宙へ飛ばしても、信用まで飛ばしてはいけない。
家庭内でも、それは同じらしい。
――レオナルド・小ヴィンチ植草