戦争中 共産主義者を匿っていた女実業家の所に、特高がやってきた。
しつこく身辺をかぎまわっていたが、やがてその特高は 女実業家そのものに目をつけ始め、
何を取引にしたかやがて彼女を自分の愛人にし、終戦直後に男の子を生ませた。
子供は父の存在を知らされずに育ったが、戦後も十年以上たち、母が亡くなる直前に父の存在を知らされ、一度その父を訪ねたそうだ。
父は本来の家族とともにひっそりと暮らしていたそうだが、息子の訪問にあまり驚く様子もなくさりとて喜ぶわけでもなく淡々と応対したらしい。
子供は一度会いたいと思っていた父だが、気が済んだかそれからはもう二度と会う事はなく
、母も亡くなり実家も破産状態だったことから家を出てそのまま暮らしていくことになった。
書くと悲惨に見えるが、実際時代の渦に巻き込まれながら体験していると意外と物事を淡々と受け入れていくものなのかもしれない。
ただ戦争や戦前の体制がこのような状況を生んだのならやはり二度と繰り返してはいけないなーと感じるのだった。
近くにこんな人がいると、戦争ってそうそう昔の事ではないなと感じさせられる。
そうそうジブリの映画の中でタバコを吸っているのは反ナチスと書いてた人がいたが、
昔の映画はタバコを吸うシーンが本当に多く、黒沢の「わが青春は悔いなし」では特高が主人公を痛めつけながらスパスパタバコを吸うシーンもあり、頓珍漢な話だなーと思ったのと、特高の言葉からこの話を思い出したのだった。