病院の待合室にいた。
長椅子が四つぐらい置いてあるそれほど大きくないオープンなスペース。
大学病院なので院内はそこそこ混んでいる。
そんななか、長椅子の一つをガタイの良いお兄さんが堂々とひとりで占領していた。
赤黒い顔で横を刈り上げた短髪、赤いTシャツに金アクセで草履履き。そのかっこで裸足で椅子の上に乗っかり、ローマの彫像よろしくポーズを決めながらガリガリ君をかじっていた。
(なんか昔のヤンキー漫画の主人公みたいだなー)

プルプルプルッと彼の携帯が鳴った。「アイっ」と言いながら気軽に電話に出る彼。
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「おおつオレオレっ おお 今病院でよーー~」
嬉しそうに大声で話す彼。周りの患者さん達は眉をひそめている。

「あのさー、俺ガンでさー、もう駄目だって~ いやーホントホント、
この間内臓痛くてさーここ来たんよ。で調べたら結構来てるってさー、今日別の検査で来たんだけど、肝臓とか転移しててさもう手の施しが無いとか言われてさ~」
周りの患者さん達が一斉に聞き耳が立っている。

「いや、ホントだって。今? ○○大学病院。えっだからさーもうどうしようないんだって、10月ぐらいまで持つかなとかだってさ。もういいんだよ俺。だからさ、酒、、酒は飲めないけど、うまいもん食ってさ、好きなことしてさ。でいいんだよ。それ聞いてさもうどうでもよくなっちゃってさ、病院で今、ガリガリ君食ってたんだよ。

周りの患者さん(自分も含め)一様に目線が落ちてしまう。

「あのさ今度挨拶いくっからさ、○○チャン元気なの?えっ?そりゃ大変だねー~」
お兄さんの話はまだまだ続いていたが、彼の声はうわづっていて、カラ元気になんだってのがよくわかる。

周りの患者さん達はもう気の毒だなーって感じでそのお兄さんを見ているのだった。

いやー病院て大変だなー。。。