イメージ 1中村勘三郎病欠降板により、演出家ラサール石井が急遽代演している首記の演劇。
またいつも通り町内会から券が回ってきたのでタダより安いものは無いということで行ってみたのだった。

中村勘三郎、藤山直美の豪華ダブルキャストってのが売りなのが、演出のラサール石井が登板ってとこで大コケしてるのかなと思いながら、(だから券が勝手に回ってきたんだろうが)で行ってみたら意外と中は混んでいた。
ガラガラかなーなんて思った期待を裏切られた感じだ。

この手の演劇って殆ど見たこと無いので、どんなもんよっ?って感じだが、主役の藤山直美ってのはなるほど、しっかりセリフが聞こえてなおかつ、たいして面白いことを言ってるわけでないが、なんか面白いし感情を勝手にこっちが込めて観てしまう。こういうの上手って言うんだろうなーーきっと。

ヒロインの小池栄枯は一生懸命で、人として真面目な人なんだなーこれは役者関係、周りの評判がいいだろうなーーと思わせる感じだが、それは演技とは別の話だ。

可哀想なのはラサール石井で、本来二人の主人公が個性をぶつけ合って舞台が盛り上がるって趣向なんだろうが
完全に食われてしまっていて、なおかつカツゼツも悪く声を張り上げているもののモゴモゴな感じで、表にパンッと出てくる感じが無い。気の毒ながら華が無いっていっちゃったらそれまでかな。。。

前半笑わせて、後半シンミリって言う王道の作りが、前半どうも役者同士のアドリブ風の掛け合いがただの内輪受けの感じで全体に纏まり悪く、ガチャガチャしていて観てて退屈する。

後半の戦争の傷跡が人物一人一人に影を落とす(みんな戦争の被害者)って感じも、実際南方戦線で死にかけた父親からの話を繰り返し聞かされ、そのかなり屈折した生き様を観てきたこちとらとしては、ついっ「フフンッ」と成ってしまうのがツライ。

と、いっぱし評論家気取りで所詮タダ券の演劇を偉そうに観ていたわけが、後ろのおばちゃんたちがとにかくよく笑っているのに気がついた。 
もう何でも笑う。とにかく笑う。 シリアスな場面でも、台詞を噛んでも、茶碗が引っくり返っても、もう笑う笑う。
最初アホかこのおばちゃん達と思っていたのだが、途中はっと気がついたのだった。

ナニシにココに来ているのか?
もちろん!娯楽の為に来ているんだ。
だったら楽しまなきゃ バカでしょ。金払ってんのに。。

そうだよなーー。小難しい訳知り顔して、評論家気取りでココに来ている自分。しかもタダ券に釣られてノコノコ出てきている自分、なおかつ其の時間を楽しんでいない自分。それが一番のアホだな。おばちゃん達の方がよっぽど豊かだな。楽しむ所で、楽しんでるんだから。

と、そう気がついたもののすぐには軌道修正できず。
そのまま演劇が終わるまで、其の席に座り続けていた自分は
「いやーーホントニ小僧だな自分」
と気づかされた正味三時間なのだった。