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ポルシエ996 ってのは初の水冷ポルシェだそうで、その前 最後の空冷ポルシェは993 この年代までのポルシェしか乗せてもらった事しかない自分としては、水冷ポルシェってどんなもんだか良くわからん。て世代の車だ。
でも もうポルシェも水冷化して10数年以上経つと思うと、「ポルシェは空冷」ってのが当たり前だった時代が遠くになってくなー。

ある日、修理屋社長の所に行くとなにやら工場が騒がしい。ポルシェを前にして社長ともう一人が泡を食っている。
「どしたの?」
社長「ただエンジン掛けただけなのに壊れた!!。」
「えっ! どこが??」
その問いには答えず、社長達は工場内をバタバタ動いたり、どこかに問い合わせしたりしている。

工場内には、綺麗な塗装の程度の良い996が。80年代までの空冷ポルシェの良さって、ボディーのキッチリ感。造りこみが工芸品みたいな所がある点や、機械って感じを色濃く感じるところが好きなんだが、この水冷になってからのポルシェも、大きくなったり、樹脂っぽくなってる割にその感じは割りとよく残っている。
「買うか?」と言われたら同じ価格か少し高いくらいなら、迷わず空冷時代の(ビックバンパーまでの)ポルシェにすると思うがこれはコレで良いと思うような車だ。

この車はちょっと前に、サスを換えるということで工場に入ってきたはず。
なにやら車の周りの床に水が撒いてある。埃落としで軽く洗ったのかな?
ん、がこの水、色が付いている。
あれっ? これラジエター液? ああ、ラジエターがパンクしたのか。
工場のもう一人に「ラジエターってポルシェ高いの?」なんて床の水を見ながら話しかけると。
そうじゃないっ!! 下からエンジンのプラグ見てみろよっ!
と、やたら緊張した雰囲気で話す。

リフトに半分あがったポルシェをリヤホイールアーチから覗く。縦置き水平六気筒。プラグは三本ともはずされていた。ここから覗くと、やっぱドイツ製。機械って感じがするよなーなんてのんき覗いていると、
横向きについてるプラグ穴から色の付いた水がしたたっている。どうやら床の水はここから出ていたらしい。
シリンダーから水かーーー!
「これっ ガスケット?」
ヘッドガスケットが抜けて、シリンダー内に水が入ることがある。まっ軽症ではないがガスケットを換えれば治る話なので重症でもないトラブルだ。

「エンジンオイルにまで水が回ってる、そんなんじゃ無いっ!!」
と言われてエンジンオイルを見ると、キャラメル色。見事にオイルと水が混ざっている状態。

とここまで来て、事の重大さに気がついてくる。
エンジンブロックやヘッド周りにヒビ。もしそんな事だと、エンジンをおろし、部品交換含めオーバーホールに近い。

しかも、何が原因か全く特定できない程 突然の状況。ピストンだコンロッドだと原因が膨れていったらいったい直すのにいくらかかるか、どれだけかかるか判ったもんじゃない。
ただエンジン掛けただけなのに。

「会社たたむしかねーかな?」あわただしく各所に連絡していた社長が、冗談でポツリとそんなことを言ったが、顔は沈んでいてとても冗談に取れなかった。