
夜の第三京浜に 修理屋社長と黒いモンテカルロを走らせに行く。
モンテカルロのエンジンは、基本的に自分が手放した時とは大きく変ってはいない。
圧縮比は11程度、ロストワックスの比較的軽めのピストンが入っている。
オーバーラップ気味のハイカムに、タコ足、FCRのキャブレター 軽量フライホイールその他諸々、、、、
組み立てはレース屋のおっちゃんに組んで貰った、相当チューニング度合いの高いエンジン。
このエンジンは二基目。
一基目のエンジンは更にチューニングの度合いが高く
エンジンの回り方も、バイクのエンジンかと思うぐらいアクセルを開けてからの回転の上がりと落ちが速かった。
が、残念ながらそのエンジンは、首都高を走り回っている時に エンジンブローでピストンを溶かして終わってしまった。
で、レース屋のおっちゃんに泣きついて、同じエンジンを再度組んで貰った。
ただ、予算の関係からピストンは鍛造から鋳造になったりはしていた。
この二基目のエンジンは、一基目ほどには回転の上昇下降は速くないが、それでもこの古いFIATツインカムエンジン(よくエンジン設計者の名前でランプレディーユニットとか言う)
の中では抜群に良く回る部類に入ると思う。
「普通に 8000rpmぐらいまでは保障すっけど、調整気をつけないと また壊れんぞっ」
レース屋のおっちゃんから、そう脅かされて渡された二基目のエンジン。
(ちなみに 市販のこのエンジンのレッドゾーンは 6000ちょっとだ)
結局は二千キロ程度の慣らしを終わった所でしばらく乗っていなかった。
が、確かにきっちり8000ぐらいまでは回っていた。
修理屋社長と アイドリングしながらエンジンを暖める。
「あれからちょっとキャブは調整した、ただウェーバーとかと違ってようわからねーなこのキャブは」
バイク用キャブから始まった ケイヒンのFCRキャブはこと四輪に関しては、
調整データやノウハウがウェーバーほどには無いため結構セッティング出しに苦労する。
一時期、流行のようにFCRを使ったレース車両が出てきたが、大体このセッティングで苦労して
ウェーバーに戻したレース屋さんも多かったようだ。
自分は、ぎりぎりまでデスビの進角を進めて高速側に振っていたが、
社長は比較的進角を戻し気味にしてキャブ調整その他全体を、マイルドに味付けし直したらしい。
「お前、信じられねーくらい進角進めてるなっ! でもこれでノッキングしねーから不思議だ、、」
以前 社長が驚いていた。
確かに工場の周りをちょっと走る程度だと、低速側のトルクが大きく走りやすい。
じゃっ 高速側はどうだろうか?
これから、第三京浜でそれがわかるかな?。
第三京浜の行きは自分が運転、帰りは社長が運転。
「よし、じゃいくかっ」
暖気の終わったモンテカルロに二人乗り込む。
内張り、防音遮音材を全て取っ払った車内は
リヤバルクヘッド越しに エンジンの熱が仄かに伝わってくる。走ったらもっと熱くなんだろーな。
振動と爆音が薄い鉄板を震わせ、室内は相当うるさい。
まっ 前からこんな感じの車だったし、むしろ今の方がアイドリング時の振動が少ないかもなー。。。
窓は全開
自分は運転席、社長は助手席でベルトを締めると、
そのまま 第三京浜に向かってモンテを走らせはじめた。