ライターは「テープ起こし」「音声の文字起こし」などと呼ばれる仕事を、依頼されることがあります。インタビュー取材、会議、セミナー内容などを録音した音声データを受け取り、その内容をタイピングして文字データに直すという作業です。
単に「聞こえてきた音をそのまま文字にすればいい」というものではなく、文字データ(原稿)の仕上がりレベルについては、クライアントにしっかりヒアリングして、ご希望に合わせる必要があります。
テープ起こし、文字起こしを専門に行っている人は、次の3つのいずれかの仕上がりを指定されることが多いでしょう。
◆素起こし
聞こえた音をそのまま文字にする。「あー」「えー」などの意味のなさそうな音もそのまま。語順がおかしかったり、言い間違いをしている部分もそのまま。
◆ケバ取り
「あー」「えー」などの意味を持たない言葉(「フィラー」ともいう)を取り除いた状態に仕上げる。
◆整文
ケバ取りをした上で、
・話し言葉を書き言葉に直す
・文体を「ですます調」に統一する
・より分かりやすい語順に直す
・明らかに言い間違いの部分は正しい語句に修正する
などの作業を行います。
テープ起こし作業者の中でも、中堅~ベテランの人が担当することが多いです。
1つ疑問がわきますね。
なぜ、すべてを「整文」の状態にせず、「ケバ取り」の状態を望まれるクライアントがいるのでしょうか?
答えとしては、会議などで「誰が、何を、どのように発言したのか?」が重要な場合は、その記録を正確に行う必要があるからです。たとえば「会議中に不適切な発言をした人がいる」という訴えが後日あった場合には、正確な発言の記録が残っていないと、「不適切な発言」についての調査ができなくなる可能性もあります。
今ちょうど、明石市長の不適切な発言についてニュースで取り上げられていますが、一部だけを取り出すと分からないことが、前後の文脈なども含めると見えてくる、ということもあるので、発言内容を正確に記録しておく必要があるのです。
さて、テープ起こし専門業者ではなく、文章を書くプロであるライターには、
「音声データをもとに、ビジネス書籍の原稿として使えるものを仕上げてほしい」
という依頼が来ることもあります。
この場合、ライターは「整文」は当然のスキルとして求められる上に、話者のアピールしたい魅力、書籍を通して伝えたいことなどをつかんで、魅力ある構成の文章が書けなければならない、といったさらに高度なスキルが求められます。
セミナーなどで、このような仕事についてしっかりとお話できていなかったので、今回お伝えさせていただきます。
セミナー情報
「ライターになるには? -人脈0、実績0からプロになるまでの道のり-」
2019年2月25日 18:30-21:30 心斎橋・エリアベンチャーズにて
今年はよそで遊んでいるお猫さま。夜中に戻ってくるようです。
