「あいまいな文章」は、読む人にストレスをかけるうえ、仕事の効率を下げる大きな要因となります。
 

以下のようなメールを受け取ったとき、あなたは、どう感じますか。


「あさっての会議は、少し早めに開始します。また、参加者が増えたため、資料を多めに印刷して持ってきてください」


この「少し早め」や「多め」が、具体的にどれくらいの時間や部数を指しているのか、受け取る側には分かりません。

「資料」という言葉も、相手に「どの資料のこと?」と思われたらアウト。「あさって」という書き方も不親切です。しっかり日にちを書く必要があります。

少し極端な例かもしれませんが、このような「あいまいな文章」は、ビジネスシーンにおいて決して珍しいものではありません(だからこそ、ミスやトラブルが多いわけですが……)。

あいまいな表現を使うほど、誤解や誤読、そして混乱を招く確率が高まります。
 

相手に誤解なく伝えるためには、以下のように、具体的な書き方を心がけましょう。
 

「あさって(22日・火)の会議は、いつもより10分早く、14時50分に開始します。参加者が4名増えたので、プロジェクトAの営業資料を19部印刷して持ってきてください」
 

 

同様に、「しばらくの間、休暇をとる予定です」という表現も「あいまいな文章」です。実際に何日間休むのかが不明確です。

こちらも「明日6日〜15日の10日間、休暇を取得します」と具体的に伝えることで、相手に誤解なく情報を伝えることができます。
 

さらに、「こそあど言葉」も注意が必要です。

たとえば、「それについての判断を待っています」という文章を書いた際、相手が「それって……いったい何?」と思ったとしたら、その文章は、相手に伝わらない「あいまいな文章」の仲間入りです。

具体的に「プランAの納期見直しの判断を待っています」と修正することで、誤解や混乱を避けることができるでしょう。
 

このように、「あいまいな文章」を「具体的な文章」に変えることによって、読む人に情報を正確に伝えることができるようになります。その結果、仕事の効率と生産性が高まっていくのです。

 

「具体的な文章」を書く人は「あいまいな文章」を書く人に比べて、何倍も信頼や好意を獲得しやすくなります。

具体性を意識する際、文章の中で「数字」「固有名詞」を活用すれば、さらに伝達する情報の解像度が高まります。つまり、伝わりやすくなるのです。
 

仕事で書くすべての文章で、「あいまいな言葉」を避け、具体的な表現を心がけましょう。