昨日公開された映画『いつくしみふかき』を鑑賞。

 

わたしたちにとって「血」のつながりとは何なのだろう? 「血」から逃れることはできるのか? そして、人は変わることができるのか? 赦しとは? そんな普遍的なテーマを、体温のある演出で包み込んだヒューマンドラマ。
             
「村社会特有の閉鎖性や排他性」「集団が醸成する心理バイアスの恐ろしさ」「逃れがたい因果応報」……ドラマを縦横に走るサブテーマも重厚だ。カトリック聖歌の『いつくしみふかき』の一節、「いつくしみ深き友なるイエスは、罪とが憂いを取り去りたもう♪」が頭の中でこだまする。憎んでも憎んでも、つながらずにはいられない。そんな人間たちの姿がなんとも健気だ。
             
ラストシーンでの主人公の行動が、この映画からのメッセージだ。わたしたちは「血」の宿命を受け入れながらも、みずからの意志で新たな「血」をつくることができる。「過去」ではなく「希望」に生きることができる。
            
W主演の渡辺いっけいさん&遠山雄さんはじめ、キャストの演技力に引き込まれました。チラっと登場する塚本高史さんや、キャストとしてクレジットされていない……あの方の出演にもご注目を!
             
そうそう、この映画の裏テーマは父性!!! 実は樺沢先生が、日米の映画作品を取り上げながら「現代の父性」について論じる新刊『父滅の刃』(みらいパブリッシング)が8月1日に発売になります。
                 
いま日本で「映画評」を骨太な「社会時評」まで昇華できる作家は樺沢先生くらいしかいないでしょう。果たして父性の本当の役割とは? そして、この先、父性の役割はどう変化していくのか? くーー早く読みたすぎる!!!

 

主演の渡辺いっけいさん(右上)、大山晃一郎監督(右上から2人目)、脇役ながらっも存在感を放った榎本桜さん(左上)らと一緒に。右下は作家で映画評論家の樺沢紫苑さん。左下は生粋のシネマ好きで「ハリィしろかわのゆるゆる映画教室」を綴る城川剛さん。ご一緒させていただき、ありがとうございます!

 

映画『いつくしみふかき』公式サイト

http://www.itukusimifukaki.com/