もったいぶった「前置き」や「注釈」が多い文章は、リズムが悪くなるうえ、読む人に負担を強いるケースがあります。


【ダメ文】

私はA案を支持します。どうしてか、その理由はというと、生徒の身の安全を第一に考えた対応策だからです。

 

【修正文1】 

私はA案を支持します。生徒の身の安全を第一に考えた対応策だからです。

 

 

「どうしてか、その理由はというと」というフレーズは、なくても意味が通じます。削った【修正文1】のほうが、読みすく感じられます。


どうしてもワンクッションほしいなら、以下の【修正文2】のように、「なぜなら」を入れればいいでしょう。

 

【修正文2】 

私はA案を支持します。なぜなら、生徒の身の安全を第一に考えた対応策だからです。

 

 

もうひとつ例文を紹介します。

 

【ダメ文】

就職難が続いています。新聞やテレビなどでも話題になっていますが、このことについて、うまく書けるかどうかわかりませんが、私なりに少し意見を述べたいと思います。昨年の大卒就職率は、過去3番目に低い水準でしたが~

 

【修正文】

就職難が続いています。昨年の大卒就職率は、過去3番目に低い水準でしたが~ 

 

新聞やテレビなどでも話題になっていますが、このことについて、うまく書けるかどうかわかりませんが、私なりに少し意見を述べたいと思います」という文章を丸ごと省きました。

 

読む人が「そんなことは、わざわざ説明しなくてもいい」「早く続きを書いてくれ」「言い訳はいらない」とイライラするからです。読む人に煙たがれては本末転倒です。

 

もちろん、読む人の理解レベルや読解レベルによっては「前置き」や「注釈」があったほうがいいケースもあります。必要な「前置き」や「注釈」を省いてしまうのは、それはそれで読む人に不親切な悪文です。

 

一方で、とくに盛り込む必然性のない「前置き」や「注釈」は、読む人のノイズになりかねません。

 

丁寧に書こうという気持ちは分かりますが、それも“程度問題”です。

 

自分が書いた文章を見直すときに、「この前置きや注釈はもったいぶっていないかな?」と、よく点検しましょう。