ああ、この本が15年前に発売されていればなあ……と読み終わって、ちょっぴり悔しい気持ちになりました。


この本というのは、「とにかく明るい性教育 パンツの教室協会」代表理事・のじまなみさんのデビュー作『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ! 』(辰巳出版)のことです。

 

本書の冒頭に「日本は驚くほど『性教育後進国』です」と書かれています。

 

たしかに日本では、性についての正しい教育が、学校でも、そして家庭でも、ほとんど行われていない気がします。

 

現に私も、本書で推奨している「子どもが3〜10歳」の時期に、性について子どもと語り合った記憶はほとんどありません。

 

性教育をタブー視する日本の空気に、まんまと流された一人といえます(涙)

 

私の娘は現在17歳。だから15年前に読んでおきたかった……というわけです。

 

本書を読んで、3〜10歳の時期に性教育をする重要性がよ〜くわかりました。

  

・性犯罪の被害者や加害者にならないよう

・低年齢での望まない性体験・妊娠・中絶のリスクを下げるため

・氾濫する「性産業発の情報」に惑わされないため

・性器の役割や機能について理解するため

・男性と女性の身体の違いを知るため

・性について誤った行動を取らないよう

・性について誤った罪悪感やコンプレックスをもたないよう

・正しいSEXや妊娠の正しい知識を得るため

・子どもの人生を台なしにしないよう

・男性と女性が互いにリスペクトできるよう

・親から子へ愛情を伝えるため

(子どもの自己肯定感を高めるため)

・親子の信頼関係を強化するため

・命の大切さを伝えるため

・子どもが命の誕生の奇跡を実感できるよう

・子どもが愛し愛される尊さを感じられるよう

 

もちろん、ただ性教育の重要性を説いているだけの本ではありません。

 

親が子どもに対して、いつ、どういう方法で、どういう言葉がけで、どういう対応をすればいいのか、具体的なケースを例にあげて、めちゃめちゃ丁寧に教えてくれます。

 

していい言葉がけ。してはいけない言葉がけ。していい対応。してはいけない対応。あらゆる疑問に答えてくれています(なんともありがたい本だ!)

 

これから性教育をする親御さんにとって、のじまさんほど(本書ほど)頼りになる先生はいないでしょう。言葉の表現方法から対処法まで、ノウハウが網羅されています。

 

子どもが豊かで幸せな人生を送るために、そして、親子の絆を深めるうえで、極めて重要な示唆が、本書には含まれています。

 

実は、著者ののじまさんは、一昨年、昨年と2年連続で、私と妻(山口朋子)が講師を務める「出版合宿セミナー」に参加してくれています。

 

こんなことを言うと、まるで「後出しジャンケン」のようですが、当時から私は「のじまさんは必ず出版できる」と確信していました。

 

なぜなら「自己紹介」と「プレゼン」がピカイチだったから、です。

 

のじまさんの「自己紹介」と「プレゼン」には、著者に必要なあらゆる要素が含まれていました。

 

コンテンツの独自性や有用性、ビジョン、実績、ロジック、ファンの多さ。そして、それらを包み込む情熱と、わかりやすい言葉で人に伝える力。

 

「言語能力」「表現力」「プレゼン力」「自己PR力」——表現はどうあれ、とにかく言葉にムダがなく、そのうえ、発するメッセージにエネルギーが詰まっていました。

 

その能力は、本書でも存分に発揮されています。

 

とにかく平易で、とにかく具体的で、とにかく興味深く、とにかく情熱的です。しかも、上からでも下からでもないフラットな目線で文章が紡がれています(これって、意外と難しいスキルなんです)。

 

世のママさん&パパさんの中には「読書は苦手」という人もいると思いますが、本書であれば、ストレスなくスラスラ読めるはずです。何よりも、大人でも意外と知らない性の知識がてんこ盛りです。本当に勉強になりました。

    

この本は、日本に“新しい性教育の訪れ”を告げる「ファンファーレ」といってもいいでしょう。

 

この本をきっかけに、日本の性教育が、ひいては、日本の未来が大きく変わりそうな予感がします。