あらかじめ書く文量を短めに設定しておくと、文章が書きやすくなります。
 
おもしろい話があります。
 
なかなか筆が進まなかった学生が、原稿用紙を400字詰めから100字詰めに変えたとたんに、すらすら書けるようになった、という話です。
 
400字詰めの原稿用紙を目の前にすると、「ああ、こんなにたくさん書かなくてはいけないのかあ…」と心理的な負担を感じます。
 
一方、100字詰めの原稿用紙だと「これくらいなら書けるかも!」とやる気が出てくるのです。
 
そのやる気が推進力になって、結果的に100字詰めの原稿用紙を何枚も何枚も書き進めることができたのです。
 
うーむ、人間というのは、単純というか、繊細というか、まあ、つまり「メンタルに支配されている生き物」なんですね。
 
それで思い出しました。
 
私は昔から少食なので、食べ物が目の前にドーンと運ばれてくると、その時点で……アウト。おなかいっぱいになります(涙)。
 
でも、コース料理のように、一品ずつ出てくるときは、比較的サクサクと食べられるのです。先が見えないことで、心理的な負担が減るのでしょうね。
 
食べ物に対して「心理的負担」という言葉を使うとは、なんともぜいたくな話ですが(汗)。
 
ビュッフェのときは、一気に食べ物を持ってくると、ヤツら(←満腹中枢様)の「思うつ」ぼなので、少量ずつ何回かに分けて持ってくるようにしています。
  
話を元に戻しましょう。
 
文章を書くときに、「こんなにたくさん書かないといけないのかあ……」と思った瞬間に、気持ちが「書きたくない」、あるいは「書けるわけがない」というモードに入ります。
 
すると、本当に書けなくなってしまうのです。
 
だから、自分で工夫をして、その心理的な負担を取り除かなければいけません。
 
その工夫のひとつが「あらかじめ書く文量を短めに設定しておく」という方法です。
 
仮に、あなたがメルマガで1000文字書くことを日課にしていたとします。
 
「今日は1000文字も書けないよ〜」と心が折れそうになったときは、「今日は500文字だけ書こう」、あるいは「今日は300文字だけ書こう」という具合に、文量を決めてしまうのです。
 
そうすることによって、心理的な負担が減ります。
 
500文字まで来たときに筆が乗っていれば、勢いにまかせて1000文字まで書き進めればいいのです。
 
人間はメンタルに支配されている生き物。
 
そのメンタルを上手にコントロールすることが、どうやら賢く生きる方法のようです。
 
しかし、この投稿、簡単に(短めに)済まそうと思ったら、長くなってしまいました。
 
「あらかじめ書く文量を短めに設定しておく」
 
やはり、この方法は有効なようです。


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