文章を書いている最中に「どんな言葉を使おうかしら?」と辞書を引く人の文章は、大体において読みにくいものです。
 
その場で辞書から拾ってきた言葉は、その人のなかから湧き上がってきた言葉ではありません。

つまり、「自分の言葉」でない。
 
だから、読みにくいのです。
 
読む人に伝わらないのです。
 
文章を書くときに限って、難しい言葉や熟語、四字熟語、ことわざなどを使いたがる人は、とくに注意が必要です。
 
身の丈以上の文章を書こうとしてもダメなのです。
 
もしも、語彙を増やしたいなら、それは、文章作成中ではなく、ふだんから取り組んでおくべきです。
 
たとえば、読書中に知らない言葉に遭遇したら、そのときに辞書やインターネットで意味を調べる——という具合です。
 
意味を理解したら、会話などで実際に使ってみる。そうやって語彙を増やしていくのです。
 
文章を書くときに、自分の内側から、その言葉が自然と湧き上がってくるようであれば、それは「自分の言葉」になっている証拠です。ふだんから使い慣れている言葉であれば、おのずと自分の内側から湧き上がってくるはずです。
 
自分の内側から湧き上がってきた言葉だけで勝負できる人は、読む人の気持を動かすことができる人です。
 
借り物の言葉や、急場しのぎの言葉、取り繕った言葉で書いても、読む人の心に響きません。


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