「たとえ」を使った文章を書けると、伝えたい事柄を、読み手に理解してもらいやすくなります。
 
<恋はドラッグだ>
→そりゃ、やばい!
  
<このご時世に携帯電話を持たないなんて、狩猟の時代に弓矢や槍をもたないようなものだ> 
→それは、かなり珍しいかも……。
 
<容姿だけで人を評価するのは、速さだけでクルマを評価するようなものです>
→ふむふむ、なるほど。
 
<彼のチャレンジは、ウェットスーツなしで北極海を泳ぐようなものでした>
→あ、そりゃ無謀だわ。
 
<落語は私の人生に欠かせないスパイスです。もしも落語がなかったら、私の人生など味気なくて、食べられたものではありません>
→そっか。そんなに大事なものなのね。
 
上記は「たとえ」を用いた一例です。
 
スティーブ・ジョブズが言った<iPodはトランプひと箱のサイズだ>なども「たとえ」の一種でしょう。
 
「iPodのサイズは、縦◯ミリ×横◯ミリ×高さ◯ミリです」と言われるよりも、格段にイメージしやすい。
 
書き手が伝えたい事柄を、必ずしも、読み手が理解してくれるとは限りません。
 
内容が、専門的だったり、難解だったりする場合はなおのこと。
 
そういうときこそ、読み手にとって身近な「たとえ」が大きな効果を発揮します。
  
「たとえ」は、読み手に対する優しさ、配慮なのです。
 
読み手が文章を読んだ瞬間に、内容を理解できれば、その「たとえ」は成功です。
 
逆に、読み手が文章を読んだ瞬間に、内容を理解できなければ、残念ながら、その「たとえ」は失敗です。
  
「たとえ」を用いたら余計にわかりにくくなった——となっては、本末転倒です。
   
どんな「たとえ」を用いれば分かりやすい文章になるか。書き手の腕の見せ所です。


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