<恥ずかしい>
 
誰もが一度は抱いたことのある感情でしょう。
 
一度どころか常に「恥ずかしい」と感じている人もいるでしょう。
 
わたしは、感情自体に良いも悪いもないと思っています(喜怒哀楽……すべて)。
 
むしろ、感情があるから人間はおもしろい、と思っています。
 
とはいえ、もしも文章を書くときに、常に「恥ずかしい」という気持ちを抱いているとすれば、少し注意する必要があります。
 
なぜなら、「恥ずかしい」という感情は、どちらかというと「自己防衛的」な感情だからです。
 
「恥ずかしい」の裏には、「こんなことを書いたら人から◯◯と思われるんじゃないだろうか……」という不安があるのです。
 
もっと言えば、人からよく思われたい。人前でカッコつけたい。人から△△と思われたい——という具合に「自分都合」の気持ちがあるのです。
 
自分を守ることに意識が向いている人の文章を、あなたは読みたいですか?

「この人は、自分都合で文章を書いている」「この人は、本音を書いていない」「この人の言葉は表層的だ」「この人は心を開いていない」——読み手であるあなたは、きっと、そんなふうに感じるのではないでしょうか。
 
読み手の立場に立てば、おのずと答えが見えてくるはずです。
 
もちろん、「恥ずかしいという感情を捨てろ!」とは言いません(ムリに捨てようとしても残るのが感情です)。
  
実際には、「恥ずかしい」という気持ちを多かれ少なかれ抱えながらも、読む人のために(!)自分の感情にどう折り合いをつけるか。そこが大事なポイントです。
 
折り合いをつけられなければ、あなたの「恥ずかしさ」は読む人に見透かされます。それこそ「恥ずかしい」状態ではないでしょうか。
 
折り合いのつけ方は、そう難しいものではありません。
 
あなたが真に読む人のために文章を書こうとしたとき、「自分都合」の「恥ずかしさ」が不思議と和らいでいくはずです。

読む人に対する貢献の意識が、あなたの「恥ずかしさ」に折り合いをつけさせる特効薬です。



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