同じ語尾が続くと、文章が単調になりがちです。
 
<例文1>
これは娘が作った夜ごはんです。私と妻が大好きな生姜焼きです。予想以上においしかったです。
 
語尾に「です」が3回続いています。単調なうえに稚拙な印象を受けます。
 
<例文1の修正>
これは娘が作った夜ごはんです。私と妻が大好きな生姜焼き。予想以上のおいしさでした。
 
このように、語尾に変化をつけることで、文章にリズムとメリハリが生まれます。稚拙な印象も消えました。
 
<例文2>
チームプレーは日本の武器だ。もともと組織的な動きが得意なのが日本人だ。たとえフィジカルで相手チームに劣っていても、全員がチームプレーに徹すれば、勝利を引き寄せることができるのだ。
 
語尾に「だ」が3回続いているため、残念ながら一本調子な印象を受けます。
 
<例文2の修正>
チームプレーは日本の武器だ。もともと日本人は組織的な動きを得意にしている。たとえフィジカルで相手チームに劣っていても、全員がチームプレーに徹すれば、勝利を引き寄せることができる。

表現を変えるだけでなく、「体言止め」を使ったり、主語を入れ替えたりすることでも、語尾に変化をつけることができます。
  
なお、「です・ます調」の場合、「だ・である調」に比べて、語尾に変化をつけにくという弱点があります。したがって「~です」「~しょう」「~ます」「~せん」「~ください」などを上手に使い回さなければいけません。
 
一方で、「だ・である調」は、語尾のバリエーションに富んでいます。「~だ」「~である」「といえる」「~考える」「~だった」「~ない」「~できる」「~らしい」……等々、個人的な体感としては「です・ます調」に比べて3倍以上の自由度があるように思います。
 
もっとも、短い文章を並べて言葉をたたみかけたいときや、こってりと気持ちを伝えたいときなどに、あえて同じ語尾を続けるケースもあります。
 
それが愛だ。それが幸せだ。それが人生だ。

——という具合に。
 
とくに明確な狙いがないのであれば、語尾の連続は2回までに押さえたほうがいいでしょう。
 
意識的に語尾に変化をつけられる人は、読み手を飽きさせない人といえます。



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