芸能界には言葉の言い換えが上手な人(=たとえの達人)がたくさんいます。

くりぃむしちゅーの上田晋也さんも、そのひとりではないでしょうか。

先日、ある番組を観ていたら、共演者のスベった発言に対して「非常に空気が悪い」と言ったあとで、「換気扇のない焼肉屋か」とつけ足していました。

「換気扇のない焼肉屋=非常に空気が悪い」というわけです。

この言い換えなどは、平凡なほうだとは思いますが(笑)

芸人さんの話のなかには、秀逸な言い換え(たとえ)がたくさん見受けられます。

以前、ダウンタウンの松本人志さんが、スキマスイッチのアフロヘアを見て「ええ庭師さん見つけましたね」と言ったそうです。

松本さんの頭のなかでは、アフロヘアを見た瞬間に、剪定が行き届いた丸っこい木が浮かんだのでしょう。そこですかさず「ええ庭師さん見つけましたね」と。

これが「ええ美容師さん見つけましたね」では、さほど大きな笑いにはならなかったでしょう。

言葉を上手に言い換える能力は、文章を書くうえでも大きな武器になります。

「我慢はよくない」というメッセージを「ふうせんに空気を入れ過ぎると破裂する」という具合にたとえたら——

あるいは、

「恋にも順番がある」というメッセージを「料理も調味料の<さしすせそ>を守らないとマズくなる」という具合にたとえたら——

あるいは、

「受験生に向けた<完全休養も大切>」というメッセージを「アクセルを踏みながらブレーキを踏む人はいない」という具合にたとえたら——

——説得力がアップするかもしれません。

言葉の置き換え能力が磨かれると(たとえが上手になると)、説得力が高まるほか、文章の切り口や表現力にも幅が生まれます。

あなたが伝えようとしているそのメッセージは、他のどんな状況(表現)に言い換えられそうですか?

ゲーム感覚でトライしてみましょう。