言葉足らずや説明不足で、読む人に負担をかけてはいけません。

<例文>
わたしは、リストラされる以前に、佐藤さんと一緒に仕事をしたことがあります。

↑この文章を読んだとき、「リストラされた」のが「私」だと思う人がほとんではないでしょうか。

しかし、実際にリストラされたのは佐藤さんでした。

リストラされたのが佐藤さんならば、次のような文章にすべきでした。

<例文の修正>
わたしは、佐藤さんがリストラされる以前に、彼と一緒に仕事をしたことがあります。

あるいは、主部と述部を近づけて——

佐藤さんがリストラされる以前に、わたしは彼と一緒に仕事をしたことがあります。

と書いてもいいでしょう。

これらの文章であれば、「リストラされた」のが「佐藤さん」だと分かります。

書いた本人は正しく伝えたつもりでも、言葉足らずや説明不足のために、勘違いや誤解を招いてしまう……。これは悲劇ではないでしょうか。

こうした悲劇を防ぐには、読む人の気持ちになって、文章をよく見直すしかありません。

正しく意味が伝わっているかどうか?

読む人に誤解される恐れはないか?

厳しい目で自分の文章を見直せる人は、伝える力がある人です。