「いい文章」を書きたいなら、
「いい文章」を読むことです。

もちろん「いい文章」の定義は、
人それぞれ違うでしょう。

ここでは、ひとまず、
読む人に負担を強いることなく、
的確に情報伝達できているものを
「いい文章」と定義づけます。

では、「いい文章」は
どこで読めるのでしょうか?

答えは——

「新聞や雑誌や本など」です。

つまり、有料で売られている印刷物です。

なぜ、有料で売られている印刷物は
「いい文章」と言えるのでしょう?

もしも新聞社や出版社が刊行する出版物の中身が
読む人に伝わらない「悪文」だった場合、
社会的な信用を失うからです。

この先、二度と商品を購読してもらえないかもしれません。

会社や著者(筆者)のブランドにも傷がつきます。

伝わらない「悪文」は、
新聞社や出版社にとって命取りなのです。

印刷物の場合、インターネット上のように
あとから修正することもできません。

だから、書店で売られている印刷物は
読むに(学ぶに)値するのです。

出版前には、プロの編集者や校正者が
あらゆる角度から文章をチェックします。

彼らには
「読者からお金をいただく以上、
 悪文だらけの商品を作るわけにはいかない」
という意識があります。

したがって、
「分かりやすく伝える」ことに対する
熱意と慎重さが半端ではありません。

一見すると平易な文章なのに、
なぜか品や格調を感じる。
そんな文章にもよく出会います。

もちろん、インターネット上にも
「いい文章」はたくさんあるでしょう。

しかし、そうでない文章も
大量に出回っています。
あまりにも「安易」かつ
「不用意」に書かれた文章の数々が。

ほかにも——

■情報の裏づけが不明
■書いてある意味がよく分からない
■表現や言い回しが幼稚
■言葉の使い方が間違っている
■論理が破綻している
■リズムが悪い
■俗語や略語、隠語が多い
■誤字脱字が多い
■冗長

——などの不安点があります。

手軽に書けて、手軽に読める。

それがインターネットの魅力でもあり、
同時に、リスクでもあるのです。

もしも、あなたが「いい文章」の書き手を目指すなら
玉石混淆のインターネット上で
気ままにサーフィンをするだけではなく、
商品として売られている印刷物も読むようにしましょう。