具体的な描写と抽象的な描写は、どちらか一方が重要なのではありません。どちらも重要なのです。

<例文1>
子育てに忙しいママでも、自分の強みを活かして自宅で仕事をすることができます。

↑この文章を読んで、どう思いましたか?

「へえ、そうなんだ」と思うかもしれません。ただ、具体性に欠けているので、なんとなく腑に落ちにくい。

では、次の文章はどうでしょう?

<例文2>
私の知り合いに、趣味のケーキ作りが高じて、自宅でケーキ作りの教室を始めたママがいます。

また、英語が堪能な方で、自宅で子供向けの英語教室を始めたママもいます。

↑いかがでしょうか? 具体例が書かれていますが、こちらも感想は、「へえ、そうなんだ」止まりではないでしょうか。「だから、何が言いたいの?」ということになります。

もうお分かりかと思います。

じつは<例文1>も<例文2>も同じことを書いているのです。

ただし、<例文1>は抽象的で、<例文2>は具体的という違いがあります。

では、このふたつの表現を一緒にしてみましょう。

<例文1+例文2を合体>
私の知り合いに、趣味のケーキ作りが高じて、自宅でケーキ作りの教室を始めたママがいます。

また、英語が堪能な方で、自宅で子供向けの英語教室を始めたママもいます。

つまり、子育てに忙しいママでも、自分の強みを活かして自宅で仕事をすることができるのです。

↑説得力が増したかと思います。

下記のように、結論を先にもってくる書き方もできます。

<「結論を先」バージョン>
子育てに忙しいママでも、自分の強みを活かして自宅で仕事をすることができます。

たとえば、私の知り合いに、趣味のケーキ作りが高じて、自宅でケーキ作りの教室を始めたママがいます。

また、英語が堪能な方で、自宅で子供向けの英語教室を始めたママもいます。

いかがでしょうか?

抽象的な表現をしがちな方は、具体化した表現を組み合わせることで、一方、具体的な表現をしがちな方は抽象化した表現を組み合わせることで、より分かりやすく説得力のある文章に変化します。

抽象的な表現←→具体的な表現

この言い換えを常に意識しましょう。