独白調の文章を書くときは、細かい描写を心がけましょう描写が細かければ細かいほど読む人はリアリティを感じるもの。その世界に引き込まれやすくなります。

<例文>
机には、ガムの包み紙がちらばっている。
灰皿はしけもくの山だ。
その隣りには、頭痛薬と栄養剤の空き瓶が5本。
「眠眠打破」というラベルが貼られたドリンクを見ながら、
薄ら笑いを浮かべている自分に気づいたときは、
さすがに「ヤバイ」と思った。
徹夜での原稿執筆が、
すでに3日も続いている。
表には一歩も出ていない。
編集者からの催促がうるさいので、
携帯の電源は切っている。
いまは誰にもオレの邪魔はさせない。

仮眠をとるときは、机に突っ伏す。
ふとんで寝たら永遠に起きられなくなるからだ。
この3日間で飲んだコーヒーは
20杯は下らないだろう。
まともにシャワーも浴びていない。
果たして、自分がどんな異臭を放っているのか……。
ちぇ。そんなこと知ったことか。
この原稿を仕上げるためには、
感情も健康も基本的人権も捨てて、
とにかく前に突き進むしかないのだ。

時計の針が深夜3時をさした。
原稿のデッドラインまで残り7時間。
おいおい、間に合うのか?
こんなときに限って、
持病の座骨神経痛がひどくなってきた。
左足がじんじんしやがる。
やれやれ。
この原稿を書き終えたら、
編集部に治療費とコーヒー代の
請求書を送りつけてやる……。
とか言っている場合じゃない!
頼む! 文章の神様よ、
どうか降りてきてくれ!
残り7時間だけ、俺に力を貸してくれ~。

いかがでしょう? かなり極端に書きましたが、原稿の締め切りと格闘する哀れな(アホな?)作家・ライターの心情がリアルにイメージできたのではないでしょうか。(注:フィクションですよ・笑)

簡単にいえば、「原稿の締め切りに追われて、3日間徹夜で頑張ってます」という話にすぎません(笑)

ところが、情景や心情の描写を細かくすることで、読む人に、リアリティを感じてもらうことができるのです。

「神はディテールに宿る」という名言がありますが、これは間違いなく文章にも当てはまります。

「細かい描写」=「ディテール」です。

独白調の文章を書く際などにぜひお試しのほど☆