作文というのは「借文」です。一流の作家や記者、ライターでさえ、どこかで誰かが書いた文章の影響を受けて、自分の文章を書いています。

よく「自分の言葉で書きましょう」と言いますが、それは「自分の気持ちを素直に書きましょう」ということであり、「美文」や「名文」「独創的な文章」を書きましょう、という意味ではありません。

大切なのは、自分の頭のなかにある気持ちや情報を、読む人ができるだけ理解しやすい形で文章にすることです。

確実に伝えるためには、読む人がパっと理解できる言葉を使う必要があります。ですので「借文」でOK、いや、借文でなければならないのです。

身の回りにあふれている「伝わる言葉」を使って文章を書いてください。自分が読んだときに「分かりやすいなあ」と感じた文章を自分の文章に取り入れてみてください。

「カッコいい言い回しを使って、読む人を惚れ惚れさせる感動的な文章を書こう!」などと色気づくと、酔いしれているのは自分だけで、読み手にはまったく伝わらない……という悲劇が起きてしまいます。

少なくとも、私にとって文章を書くということは、“相手に伝わらない悲劇”を避けるための戦いです。カッコよく書き飛ばすものではありません。

文章上達のスピードが速い人は、「相手に伝えよう」という気持ちが強い人です。伝わるのであれば、「借文」で上等じゃい! くらいに思える人です。

注:「借文」とは他人の文章(言葉や展開、言い回し等)を自分の文章に取り入れて書く文章です。盗作やコピペの推奨ではありませんヨ(^.^;)