「文(ぶん)は人なり」

フランスの博物学者ビュフォンの言葉です。

文章を見れば書き手の人となりがわかる、という意味です。

たとえば、 同じラーメンを1万人が食べたとします。

その感想を200文字で書いてもらうとします。

一文字もずれることなく同じ文章を書き上げる人は、おそらく一組もいないでしょう。

文章に違いをもたらすポイントには、次のようなものが挙げられます。

1)感じ方の違い(感性・思い)
2)視点の違い(切り口・論点)
3)言葉の選び方の違い(アプローチ・表現)
4)言葉の並べ方の違い(構成・展開)

もちろん、この4つは太い幹にすぎません。

これらの幹から、さらに細かく枝分かれしていきます。

枝の数は数十本、あるいは数百本にも及ぶでしょう。

それゆえ、1万人に同じ条件で感想文を書かせても、 一組として同じ文章にはならないのです。

さすがに「文章=書き手の全人格」 とは言い切れないでしょうが、ビュフォンの言う「文(ぶん)は人なり」は 言い得て妙ではないでしょうか。

あなたの文章にはあなたが宿る。

良くも悪くも。