文章の語調は大きく「です・ます調」と「である調」に分けられます。

「です・ます調」の文章は、ていねいで柔らかい印象を与えます。不特定多数の人々に読んでもらいたい場合や、子供に読んでもらいたい場合に有効です。

一方、「である調」の文章は、断定調で硬めの印象を与えます。簡潔さと軽快さがある反面、堅苦しさが先に立つと、読み手との間に感情的な壁を作りかねません。分かる人にだけ分かればいい、というケースには有効です。

プロの書き手のなかには、何かしらの効果を狙って、両者を混在させるケースがありますが、一般的には、どちらかに統一させたほうが無難です。好みに応じて、というよりは、目的と内容に応じて、書き分けるべきでしょう。

俗にいう「TPO(時、場所、場合に応じて使い分けること)」のようなものです。

<例文>
ポイ捨ての問題は軽視できない。街の美観を損ねるだけでなく、市の清掃員の負担にもなります。ポイ捨てをする人は、軽犯罪法に抵触する行為だという認識を持つべきだろう

「である調」を採用しているにもかかわらず、途中、「負担にもなります」の部分だけ「ですます調」が混ざっています。どちらかに統一したほうがベターです。

<例文を「である調」で統一>
ポイ捨ての問題は軽視できない。街の美観を損ねるだけでなく、市の清掃員の負担にもなる。ポイ捨てをする人は、軽犯罪法に抵触する行為だという認識を持つべきだろう

<例文を「ですます調」で統一>
ポイ捨ての問題は軽視できません。街の美観を損ねるだけでなく、市の清掃員の負担にもなります。ポイ捨てをする人は、軽犯罪法に抵触する行為だという認識を持つべきでしょう

書き始める前に「ですます調」と「である調」のどちらの語調で統一するか、決めておきましょう。