文中に「~した」「~だった」のような過去形を乱発しすぎると、幼稚な文章になってしまいます。

<例文>
僕は10年ぶりに母校を訪れた。校舎は建て替えられていて、当時の面影はなかった。授業と授業の合間に友達とたむろした噴水広場も、一面芝生に姿を変えていた。寂しかった。大切な思い出を誰かに勝手にむしり取られたような心境だった。でも、仕方なかった。諸行は無常なのだから。

<例文の修正>
僕は10年ぶりに母校を訪れた。校舎は建て替えられていて、当時の面影はない。授業と授業の合間に友達とたむろした噴水広場も、一面芝生に姿を変えていた。寂しい。大切な思い出を誰かに勝手にむしり取られたような心境だ。でも、仕方あるまい。諸行は無常なのだから。

過去形(青字)は6個→2個に減りました。

このように、たとえ過去の出来事について書いた文章であっても、現在形(赤字)が使えるケースはたくさんあります。

<例文の修正>では、大きな状況を説明する文章に過去形を用いています(「訪れた」「姿を変えていた」)。

一方、小さな状況の説明や心理描写には現在形を用いています(「面影はない」「寂しい」「心境だ」「仕方あるまい」)。

いかがでしょう?

かなり読み易く(大人っぽく)なったと思います。

「幼稚な文章になりがち…」という方は、過去形を乱発しすぎてないか、注意しましょう。