かぎ括弧を使用するとき、<閉じ括弧>の前に句点(マル)を打つ必要ありません。

あくまでも私見ですが。

<例文>

「私はそばが食べたいなあ

<例文の修正>

「私はそばが食べたいなあ」

なぜなら、句点は文の終わりに打つものですが、かぎ括弧を使用する場合は、<閉じ括弧>が区切りの役割を果たしているからです。

とはいえ、古い作品を中心に、小説などでは「……」の文章を採用しているケースも見られます。

また、国語表記の規準でも「かぎ括弧内でも、文の終止には句点を打つ」となっているようです(←未確認ですが…)。

しかし現在では、新聞や雑誌でも「<閉じ括弧>前には句点を打たない」という見解でほぼ統一されています。

私自身も、その句点に特別な意味をもたせるのでなければ、<閉じ括弧>の前に句点を打つ必要はないと考えています(単純に句点がないほうが読みやすいので)。


ただし、かぎ括弧のあとに、新たな文章がくるときには、<閉じ括弧>の直後に句点を打つようにしましょう。

<例文>

「私はそばが食べたいなあ」次に発言したのは太郎だった。「オレはうどんのほうがいいな」

<例文の修正>

「私はそばが食べたいなあ」次に発言したのは太郎だった。「オレはうどんのほうがいいな」

どうして句点を打つかとうと、かぎ括弧のあとに文章がそのまま続くケースと混同する可能性があるからです。

<かぎ括弧のあとに文章がそのまま続くケース>

「私はそばが食べたいなあ」と花子が言った。次に発言したのは太郎だった。「オレはうどんのほうがいいな」


なお、かぎ括弧が連続する会話文では、ふたつのかぎ括弧間に句点を打つ必要はありません。

「私はそばが食べたいなあ」「オレはうどんのほうがいいな」「ええ、そうなの?」

この会話文に句点を打つと、どうもリズムが悪くなります。

<リズムの悪い例>

「私はそばが食べたいなあ」「オレはうどんのほうがいいな」「ええ、そうなの?」


少し話がそれますが、かぎ括弧は強調や引用にも用いられます。

<例文>

私がビジネスをするうえで大切にしているのは「誠実」「迅速」「感謝」の3つです。

こうしたケースでも、ふたつのかぎ括弧間に読点(テン)を打つと、リズムが悪くなります。

<リズムの悪い例>

私がビジネスをするうえで大切にしているのは「誠実」「迅速」「感謝」の3つです。

間延びした印象の文章になってしまいます。


もちろん、句読点の打ち方はケース・バイ・ケースで、「これが絶対に正しい!」と断言できるものではありません。

<閉じ括弧>前の句点についても、打つのが間違いということではありません。

ただし、スタンダードでなくなりつつあるのは事実だと思います。