注目の書籍を紹介したいと思います。

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中嶋茂夫著
『山手線と東海道新幹線はどちらが儲かっているのか?』(1470円/洋泉社)

執筆、プロフィール作りのプロ! 感動フリーライター -山手線と東海道新幹線はどちらが儲かっているのか?

私の兄は小学生時分、今でいうところの「鉄オタ」でした。「鉄ちゃん」という言葉もまだ生まれていないころで、たしか「鉄道ファン」という言葉が一般的だったと記憶しています。

毎月のように時刻表を買い(しかも古い時刻表は捨てない!)、国鉄が主催していた「いい旅チャレンジ20,000km」というキャンペーンにも挑戦していました。一眼レフカメラを片手に、毎週末、よくもまあ飽きずに、電車に乗りに行っていたものです。

自宅には宮脇俊三著『時刻表2万キロ』や西村京太郎著『寝台特急殺人事件』がありましたし(※)、「Nゲージ(エヌゲージ) 」の鉄道模型も大事にしていました。撮影した膨大な量の鉄道写真……あれは果たしてどこへ行ったのか……?

※「寝台特急」と書いて、「ブルートレイン」と読ませるのがミソ!

そんな兄に読ませてあげたいのが(←こんな入りでいいのか?笑)、中嶋茂夫さんの新著『山手線と東海道新幹線はどちらが儲かっているのか?』です。

そういえば、以前に兄が「3分に1本運行している山手線のような電車は世界のどこにもない!」誇らしげに語っていたことがあります。従って、本書のタイトルに対しては「山手線に1票!」と回答したいところです。

しかし、たぶんおそらくきっと、山手線と東海道新幹線のどちらが儲かっているかという疑問は、本書に盛り込まれた「知られざる鉄ネタ」のひとつにすぎないのでしょう。

なにせ、本の帯には、次のようなことが書かれているのです。

▲なぜトワイライトエクスプレスの人気スイートは、2室しかないのか?
▲なぜ新幹線から食堂車が消えたのか?
▲なぜJRは、Suica、ICOCAの普及に力を入れるのか?

極めつけは、ドーンと大きな文字で

鉄道会社が仕掛けるあの人気サービスの「儲けのしくみ」がわかる!!

です。

間違いありません。本書は、鉄オタ歴40年の著者が、世に解き放った「オレはこんな鉄ウラ事情まで知ってるんだゾ!本」です(笑)。事実、目次には「なぜ?」「どういうこと?」「理由は?」「えっ、そうなの?」と興味を引くコンテンツがズラ~リ。あるいは読了時に、読者を「にわか鉄オタ」に変身させようという魂胆があるのかもしれません(要注意!

最後に読売新聞に掲載された書評を引かせていただきます。

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 両路線の営業収益の比較を手はじめに、なぜ割引切符の種類が多いのかなど、JR6社の利益最大化への取り組みや運賃決定のカラクリを平易に説明。
 同じ駅でも窓口が違えば、切符販売手数料を得る社が異なることもあるなどのトリビアも紹介されている。

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鉄道ファン向けの趣味本? 鉄道業界分析本? 鉄道業界を例に取った経営・マーケティング本?

おそらく、どれも正解だと思います。

それにしてもタイトルが秀逸です。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』を筆頭に『~か?』本は、これまで山ほど出版されているはずなのに、本書の「新幹線 vs 山手線」はフックが利きまくっています。これが「新幹線 vs 飛行機」だったら、ここまで興味を引くことはなかったでしょう……。

「豪華寝台特急でコンサル」に抽選でご招待(!)ほか特典満載のアマゾンキャンペーンは本日19日いっぱいです。
http://links.nakajimashigeo.com/JapanRailways

中嶋茂夫さんのブログ
「鉄道ファン 必見【鉄ビズ】鉄道ブログ」